ロボ道士 エルム街のキョンシー

おすすめランク E以下
原題:THE VAMPIRE IS ALIVE
出演:
シンシア・ローズ
トニー・ジョブ
ハリエット・ブラウン
スン・チェン(孫建)
トー・シウミン(杜少明)  他
監督:エドガー・ジェール
1988年度作品

はい、お待ちかね(誰も待ってない(笑))のフィルマーク・インターナショナル製作の作品。

本作を20年以上前にレビューした時は、ニコイチなんて作品を製作してしまうなんて思いもよらなかったので、下記のように純粋に作品の流れをレビューしてたよな。3回観ても理解不能だった(汗)。・・・監督冥利につきるって?(笑)

確認のため、ニコイチ作品とは、既存の作品を二束三文で買い付け、ツギハギして編集し、セリフも変えてしまい、新たなシーンを追加して1本の作品にしてしまう超低予算の作品のこと。

では、だいぶ修正しましたが、ニコイチ作品とは知らない前提で20年以上前のレビューをどうぞ!(笑)

映画でよくあることだが、異なる場所で並行してスト-リーが展開していき、最後にそれらがまとまって事件が解決するっていうパターンを本作もしたかったらしいのだが、もう、最悪!

ストーリーは大きくふたつある。まず1つ目のストーリーから書いてみよう。

ある日、映画の脚本家ジョイスは、助手のシンディと、映画会社のディクソンに頼まれたシナリオを急ピッチで仕上げるべく、 別荘に行くことにする。道中、墓の前を通ると道士がいた。ジョイスらを案内したドライバーは「霊を呼び出しているときに近づけば 悪霊が乗り移るから、道士には近づくな。」と言ったが、ジョイスたちは興味があって道士と会話をしてしまう。 すると道士は「死相が出とる。必ず不吉なことが起きる。」と言う。どうやらこの時点で悪霊が取りついてしまったらしい。

別荘に着いたジョイスはドライバ-に、執筆の邪魔になるからと別荘の電話を持って行ってもらう。ドライバーが電話を車に乗せて帰ろうとすると、突然、電話線もつなげていないのに電話が鳴り、受話器を取ろうとしたら、コードが首に巻き付き、ドライバーは死んでしまう。

ジョイスはシンディと夕食を食べようとすると、シンディがいなくなったので、探し始める。シンディは「エルム街の悪夢」のフレディが装着している鉄の爪を持ったキョンシーに襲われ、殺されてしまう。それを見たジョイスは気絶するのだが、次のシーンで目が覚め、シンディが「大丈夫?あなたはずっと気絶していたのよ!」と発言。 どうやらシンディが殺されたシーンはジョイスの夢で、監督はこの後、悪夢が再現されるという展開に持っていきたいらしい。

その夜からジョイスとシンディのまわりには、奇妙な現象が起きていた。ホラー映画のパターンで一人が怪しいものを見たら、 「気のせいよ。」とか「目の錯覚よ。」とか言っておいて、後から襲われるというパターンネタの始まりである。

素人でも思いつく電気がピカピカついたり消えたりという奇妙な現象が起こる。 シンディが「おかしいわ。」と思っていると、いきなり鉄爪キョンシーが現れ、シンディは背中を引き裂かれる。幽霊に襲われたことを、すぐにジョイスに告げるが、「ウソ言わないで。」といわれ、ケガをしている証拠を見せるでもなく、納得してしまう。(あー!わけわからん!)

ついにジョイスの前に鉄爪キョンシーが現れる。鉄爪キョンシーは、「人間の女とやりたい!それ以外に再生の道はない!俺の名は腐霊泥(フレディ)!中国最後の悪夢男だ!ハハハー!」とか言ってる(←ヤリたいだけじゃん。悪夢男のところ、絶倫男にしろよ(笑))。

そしてジョイスの体に乗り移って、シンディを殺してしまう。その時、ジョイスはどうやら、妊娠したらしく、鉄爪キョンシーとの子供を産んでしまうのだった。(←パパがキョンシーって(笑)。)

で、次にもう一つのスト-リー。

謎の電話器に殺されたドライバーの死を知った映画会社のボスはジャッキーという調査員に、死の原因を突き止めるよう命じる。 ボスは他の映画会社が、ジョイスの書いている「中国最後の皇帝」と同じ題材を製作する予定があり、その映画会社が製作を阻止するために、いやがらせをしていると思っていた。

ジャッキーはある夜、車を運転していると、男が女を追いかけながら「殺してやる!」 と言っている現場を目撃する。それを見たジャッキーは、事情も知らないのに、いきなり銃で男を殺してる (汗)。で、このシーンは伏線にもならず。(←何がしたいんだよ!)

ある日、ジャッキーは友人のファニーと食事をしていると、ライバルの映画会社のプロデューサー、ウォルトンを発見しトイレでいきなり殺す(汗)

ジャッキーがウォルトンを殺したことは、知るはずもないのだが、なぜかウォルトンの手下のリッキーが「ジャッキーが殺したんだ!」 と断定し、ファニーを誘拐してしまう。ジャッキーはリッキーに会いに行くと、ここでもいきなりリッキーを殺し(汗)、ファニーを救出するのだった。

ウォルトンの死んだ今、また別のプロデューサー、ジャクソンが香港一のプロデューサーとなる。で、これまたよくわからんうちにジャクソンが部下にファニーと美術監督を誘拐するよう命じる。ジャッキーはジャクソンを自殺に追い込み、ファニーらを救い出す。

ここまでで、2つのスト-リーを書いたのだが、共通点はドライバーが殺されたってことぐらいで何の関連性もない。 この2つを最後にムリヤリつなげるのである。

ジョイスとシンディのことを心配になったディクソンは彼女らが暮らしている別荘に向かう。(ジャクソンだの、ディクソンだのややこしいが、ディクソンは、序盤にジョイスに脚本を頼んだ人ね(あーら、ご丁寧に(笑)。))

すると、ジョイスに乗り移ったキョンシーがディクソンに襲いかかり、「これで脚本は完成せず、ジャクソンが一番だー!」と言う。なにー?この鉄爪キョンシーはジャクソンに雇われていたのか?? そんなこと今まで、どこにも説明がなかったのに、いきなりこのセリフで2つをつなげているのである。なんじゃいこれは!!!(怒)

で、題名の「ロボ道士」はこれまでのストーリーにはどこにも登場していない。さてこのロボ道士の正体とは!?

なんと、ディクソンがロボ道士に何の説明もなく変身するのである。それももう、エンディングに近い、1時間22分後に! このディクソンなる人物が何者なのかは、ただジョイスに脚本を頼んだ以外に何も語られていないのである!こんなんでいいのか!!

このロボ道士もそのまんま消防服っていう銀色のスーツを着ているだけ(笑)

ただの調査員、ジャッキーがなぜ、簡単に人を殺せるのかも説明がない。殺し屋でもないのに映画界の大物を2人も殺している。 どういうことよ!?

この作品が最悪な理由がまだある。ストーリーの舞台は香港である。ジョイスや、映画会社のボス、ディクソンが登場するシーンは香港なのだが、ジャッキーのシーンはタイにもかかわらず、香港にいる設定になっているのだ。風景みたら、誰が見たってタイだよ!なんで、こういうことができちゃうのよ!(笑)

・・・ということで、本作は、ほんとに悪い意味で伝説に残る1本だよな(笑)。ビデオ化はされたけど、現在では激レアのようで。

動画を探してたら、ロボハンターのパート3ってのを見つけ、確認したら、本作だった。だったら、パート2はなにって?・・・「必殺!ムーンウォークキョンシーマン」に決まってるじゃないの!(笑)