イップ・マン 序章

おすすめランク A

原題:葉問

出演:

ドニー・イェン(甄子丹)

リン・ホン(熊黛林)

池内博之

ラム・カートン (林家棟)

サイモン・ヤム (任達華)

ルイス・ファン(樊少皇)

ウォン・ヤウナム (黄又南)

シン・ユー (行宇)

監督:ウィルソン・イップ(葉偉信)

2008年度作品

『1930年代の中国広東省彿山。武術館の師範との戦いに勝ったイップ・マン(ドニー・イェン)は、町一番の武術家として知られるようになる。しかし栄華は長く続かなかった。1938年に日中戦争が勃発。1年もたたぬうちに彿山は日本の占領下となる。イップ・マンの自宅は日本軍の司令部として没収され、一家は極貧生活を強いられる。家族のために石炭運びの仕事をする中、ある事件をきっかけに日本兵中国武術を教えることを拒否したイップ・マンは、誇りをかけ、日本武術の名手である日本軍将校三浦(池内博之)と生死をかけた対決をする。(日活サイトより引用)』

第28回香港電影金像奨の最優秀作品賞受賞作。詠春拳の達人、イップ・マン(葉問)の半生を描いた作品。

ルイス・ファン演じるカムが次々と道場破りをするシーン。ことごとく負けちゃって、さては、彿山の道場主たち、これまで互いに八百長しあって共存共栄してたな?(笑)。そういう事情を知ってたこともイップ・マンが道場を開かなかった理由の1つだったのかもしれない。

イップ・マンとカムのバトルは見応えがあった。「家具を壊さないで。」って嫁さん(リン・ホン)に言われてたから、何かを壊す度に「弁償する。」って言うカムのキャラも憎めないし、バトルの途中で子どもが三輪車乗って、嫁さんからの言付けをしに来るシーンは、ほのぼのとしてしまった(笑)。

戦時中になり、極貧となったイップ・マンが石炭運びの仕事をするシーン。久しぶりに再会したラム(シン・ユー)が、昼食時に自分の食べていた焼き芋をイップ・マンに差し出すところは、ふたりが育んできた関係をうまく表現してたよな。

日本兵の空手の練習で試合に勝てば、米1袋をもらえるということで、ラムやリュウ師匠が勝負するシーン。リュウ師匠が3人を相手に挑むが、降参した途端、銃殺された時は腹立たしかった!。これ観た直後にメモした記述が「メガネ、死ね!」。素直な感想(笑)。

怒りが頂点に達したイップ・マンが、10人を相手にバトルしたシーンは、本気を出したらこうなるってことを見せつけた場面だったな。これまでの穏やかなイップ・マンとは全く異なってた。

通訳のリー(ラム・カートン)から負けるよう助言があったものの、中国人と中国武術の誇りをかけ、正々堂々と対決したラストのイップ・マンと三浦のバトルは迫力があった。滅多打ちにされる三浦と木人椿が交互に映し出される演出が印象に残ったな。

三浦の部下の佐藤って奴は、かなりムカついた!。こんな奴、惨たらしい死に方すればよかったのに。三浦の知らないところで、軍の命令とは関係なく、民衆にひどいことをしまくってただろうな。武術では太刀打ちできないからと、銃を持ってない者に対して、銃を突きつける卑怯者。民族関係なく、一定数、こういうクズは存在するわけですよ。こういうクズが上官クラスになってしまったことが原因で、憎しみのスパイラルに陥った争いはたくさんあったはず。

サモ・ハンをアクション監督にしたのは適任だったな。これまでに多くの詠春拳を用いた作品に関わってきたし。

三浦役の池内博之。本作まで本格的なアクションをしたことがなかったようで、一か月に及ぶサモ・ハンの特訓を受けている。しっかし、ドニーのラストバトルの相手役とは、大抜擢だし、思い切った起用だよなぁ。

本シリーズは史実と完全に一致しているわけではなく、脚色されているんだけど、過去の有名人の伝記なんて、脚色されたものばっかりだと思うよ。世の中、自分の都合の悪いことや短所や性癖なんて子どもにも言わないしね(笑)。次の世紀くらいになったら、イップ・マンの伝記は本シリーズをベースにされちゃうのかも。

本作のヒットにより、いくつかイップ・マン作品が作られた。初心者レベルの方へ。本シリーズ鑑賞の際は、序章→葉問→継承→完結の順にみること。外伝のマスターZを観るなら、継承の次。誕生と最終章は製作会社が異なるので、無類のイップ・マン好きになってしまった方はどうぞ(笑)。