ダブル・サスペクト 疑惑の潜入捜査官

おすすめランク 
原題:使徒行者
出演:
ニック・チョン(張家輝)
ルイス・クー(古天樂)
ン・ジャンユー//フランシス・ン(吳鎮宇)
カーメイン・シェー(佘詩曼)
ホイ・シウホン(許紹雄)
ルイス・チョン(張繼聰)
シン・ユー(行宇)
キャンディ・チャン(張慧雯)
ジェイド・レオン(梁琤)
監督:ジャズ・ブーン(文偉鴻)
2016年度作品

こういう作品は、誰が本当の潜入捜査官で誰が裏切って、誰が死んじゃったなんかを鑑賞前に知ってしまうと面白くないので、そういったネタバレは後半に”ここからネタバレ”と記載のうえ、書きますのでご安心を。

『2年前、香港警察の警視が部下の潜入捜査官たちを守るため、全データを破壊して命を落とした。以来、彼らは消息不明だったが、“ブラックジャック”と名乗る人物からの暗号メールに女性捜査官ディン(カーメイン・シェー)とQ警視正(ン・ジャンユー)は謎の解明に乗り出す。やがて、大企業の社長ミン、重役ラム(ニック・チョン)、ラムの相棒シウ(ルイス・クー)が関わる麻薬ビジネスに辿り着く。だがラムとシウは麻薬取引先のブラジルで、裏切り者に命を狙われることに。誰ひとり信じられない極限下で、血で血を洗う抗争は激化していく!(ソニー・ピクチャーズ公式サイトより引用、一部修正)』

2014年に放送されたテレビドラマ「使徒行者」がヒットしたのを受けて、スピンオフとして製作された作品。テレビドラマの主演はミウ・キウワイ(苗僑偉)と本作にも主演しているカーメイン・シェー(佘詩曼)。テレビドラマは観たことないので、観ている前提での人物関係などは、「たぶん、そうだったんだろうな。」と推測するしかなかったな。

テレビドラマが現在までにシーズン3まで製作されており、ホイ・シウホン演じるフーンヘイは、その全てに登場する役柄。カーメイン・シェー演じるディンとの過去のあれこれはシーズン1を見た人にはご存じの内容だったのだろう。

序盤の展開で、ニック・チョンとルイス・クーが潜入捜査官であることを隠して、悪の側にいながら、派手に痛快に悪を退治していく作品かと思ったら違ったな。コメディぽかったのが途中でシリアス路線になってしまったけど、どちらかにしてほしかったな。

カーメイン・シェーって、ボクは本作で初めて知った女優さんだけど、長くTVB(香港のテレビ局)の専属女優として活躍し、地元では人気だそう。そうとは知らず、序盤でコミカルな演技をする彼女に、「なんだ、このおばさんは。」って突っ込んでしまってたな(笑)。ン・ジャンユーとのあの笑えないコミカルなやり取りがそのまま続いていたら、どこかでストップボタン押してたわ(汗)

ブラジルでの麻薬取引シーン。ああいう危険地帯はマジで実在するわけだから怖すぎる。「クレイジージャーニー」のゴンザレスさんのレポートを見たら、それがわかる(笑)

モールス信号が本作の要だったけど、銃声を利用したのは「そんな器用なことできる?」って疑問に思ってしまった。

ラムとフーンヘイが、麻薬取引相手のボス、ドゥンとやり取りするシーン。ドゥンがフーンヘイのことを潜入捜査官だと疑い、彼の妻を惨殺した模様を話しながら、フーンヘイの手首の脈拍を確認するのはドキドキしたなぁ。

ラムの秘書役シウイン(キャンディ・チャン)が、ボディーガードも兼ねていて、実は強かったというキャラ設定。こういうの好き(笑)。

フーンヘイの妻、カリーナ役を演じたのは「黒猫」のジェイド・レオン。アクションもできるのに、出演があんなシーンのみだったのは、なんか残念。

ラムとシウが互いに「俺たちは兄弟だ。その絆が見えないなら、何を言ってもムダだ。」って言うセリフは、その絆が切れそうになったと感じた側が、繋ぎとめるシグナルなんだろうな。”絆”って言葉は、本来は家畜を繋ぎ止めておく綱から来ていて、呪縛、束縛といった意味だったんだよね。現在使われているような、いい意味ではなかった。

ラムが昭和の特撮やアニメのフィギュアを買い集めてる設定がなんかうれしい。ウルトラセブン仮面ライダーゲッターロボと、ボクが大好きだった超人バロム1には胸熱(笑)。この種のフィギュアを金持ち香港人が買い漁ってる話、聞いたことあるな。シウがキカイダーをゴミ箱に捨てたのはちょいイラした(笑)

本作の続編は2019年度作「インビジブル・スパイ」。本作に続き、ニック・チョン、ルイス・クー、ン・ジャンユー主演だが、役柄は全く異なる。

 

 

ここからはネタバレしているので、鑑賞後にお読みを。

ニック・チョン演じるラムが真の潜入捜査官だったわけだけど、それが判明するまでの行動が、とても潜入捜査官だとは思えないのよね。シウとの2人きりの会話で「内通者がいる。」ってのも言わなくてもいいし、警察での取り調べでも、自分が潜入捜査官だとなんで伝えないのかしら?。あと、社長のミンの殺害に関与した際、やりきれない表情すらないのは、警察官の立場なら疑問符がつくしね。ラムがシウを疑うってのも、シウが潜入捜査官だと思っている観客にハラハラしてもらおうという意図ありきになってしまっている。あ、ラムはIQが140あるって言ってたから、ボクには到底理解できない行動をしてたってことか!?(笑)

ディンが拉致されたシーンはびっくりしたな。コミカルからの急展開。そこに、フーンヘイが現れてからの展開もびっくり。で、頭を撃たれたのにディンが生きている種明かしには、「あの状況で、頭にあんな細工は難しいだろ。」ってさすがに突っ込んだな。おまけにフーンヘイがディンの頭をさすっていた位置と、頭がパーン!となった位置が全然違ったしね。

グラスホッパー(草蜢)が歌う本作の主題歌「行者」。

 

カンフー・シスター/麗竜拳

おすすめランク 
原題:師妹出馬
出演:
シャー・クワンリー(夏光莉)
ペン・カン(彭剛)
ワン・チーチェン(王圻生)
シュエ・ハン(薛漢)  
シェー・ティンゴン(史亭根)
タイ・チーシャー(戴綺霞)
ユー・スンチャオ(余松照)
マオ・チンシュン(茅敬順) 
リウ・シャン(劉珊) 
ホー・ヒンナム(何興南
チャン・チーピン(張紀平)
ヘンリー・ルー(陸一龍)
監督:リー・ツォナン(李作楠)
1980年度作品

『リンチー(シャー・クワンリー)と夫(ヘンリー・ルー)は、貴金属の運搬を業としていた。ある日、2人に、覆面強盗団が襲いかかり、夫は殺され、リンチーは輪姦された後、刺され、瀕死の重傷を負う。リンチーは気が付くと、尼僧に助けられていた。クンフーの達人でもあった尼僧の元、3年7カ月の修行を終えたリンチーは、覆面強盗団が身につけていたペンダントを手がかりに、彼らに復讐するため、洛陽へと向かうのだった・・・。』

数多くの”修行して仇討ち”パターンの作品の中では、異色の作品。夫が殺され、3年7カ月の修行が完了するまでを序盤の20分で描いているので、その後は強くなった状態でのシャー・クワンリーの柔軟を活かしたバトルが展開。さらなる強敵も登場して、2回目の修行にも至るから、観飽きなかった。

双剣を武器にしたホー・ヒンナム(何興南)と素手での対決、槍を武器にしたワン・チーチェン(王圻生)と2本の短槍での対決は、なかなか見応えがあった。

ラスボスであるパオとの対決前に、「今のあなたでは勝てない。」と、かつてパオに父親を殺され、自分も片足を再起不能にさせられた女性が登場。リンチーに仇討ちを頼み、技を伝授する展開もよかった。

パオのトレーニングシーンでの強さアピールで、クライマックスへの期待度がアップしたな。期待通りの戦いっぷりを繰り広げてくれたけど、いきなり何度も前方宙返りをして、自分の体を地面に叩きつけながら攻撃する技、秘伝”燕がえし”をしだした時は、打ちどころが悪くて頭がおかしくなってしまったかと思ったな(汗)・・・”燕がえし”と聞いて四十八手の1つが頭に浮かんだ人は夜のテクニシャン!?(笑)

シャー・クワンリーの出演作で日本でも有名なのは、「蜀山奇傅 天空の剣」。ブリジット・リン演ずる城主の次にあの城で偉い役柄を演じた。

夏光莉は、日本では”シャー・クワンリー”または”シャー・プワンリ”と呼ばれている。「シャー・プワンリの女少林寺(原題:俏師妹)」ってビデオをレンタル店で見た時から、”プワン”って響きからか、なんか記憶にこびりついてる。ちなみに「シャー・プワンリの女少林寺」には、夏光莉は出演していないんだな、これが!(驚)。おそらく、「シャー・プワンリの女少林寺」に主演のヒルダ・リウ(劉皓怡)を夏光莉だとビデオ販売元が完全に勘違いした可能性大!

あと、キネマ旬報社「中華電影データブック」にユエン・シャオティエンが本作に出演と記載されてるけど出演してないのよね。「シャー・プワンリの女少林寺」には出演してることと、両方の原題に「師妹」があることから、2作品の情報が部分的にテレコになっちゃったと推測。

本作はジャパンホームビデオからソフト化されたが、ビデオバブル期にはすでにほとんどのレンタル店で置いておらず、日本では幻となった作品。20年以上前に、本作と「マッドカンフー地獄拳」「女カンフー魔柳拳」のビデオを店頭で見つけた時の興奮は忘れられない(笑)

香港魔界大戦

おすすめランク 
原題:西藏小子
出演:
ユン・ピョウ(元彪)
ミッシェル・リー(李嘉欣)
ニナ・リー(利智)
ユン・ワー(元華)
ロイ・チャオ(喬宏)
ウー・マ(午馬)
ビリー・ロウ(樓南光)
ユン・キンタン(苑瓊丹)
ウォン・ヤッサン(黃一山)
監督:ユン・ピョウ(元彪)
1992年度作品

ユン・ピョウが製作、監督、主演した作品。ユン・ピョウが設立した元彪製作有限公司の記念すべき一作目。・・・といっても、製作したのは本作のみ。そして、ユン・ピョウが今のところ、唯一、監督した作品でもある。

チベットポタラ宮に500年前から伝わる黄金の壺には、世界を征服できる秘密のパワーが隠されていた。実は宮殿に残されたのは蓋のみで、壺本体の所在は長い間不明だったのだが、香港の富豪パオ氏が所有していることが判明する。宮殿で修行に励み、超能力を身につけたラシ大師は、その壺を受け取るため、香港に向かう。だが、世界征服を目論む黒教の一味が先回りし、パオ氏を監禁、蓋を持ってやってくるラシ大師を待ち伏せしていた。蓋がなければ、壺はそのパワーを発揮できないのだ。ラシは壺を守るため、たった一人で黒教に立ち向かう・・・。(DVDジャケットより引用)』

ユン・ピョウ、張り切ったんだろうけど、チベットロケありきで、ストーリーが今どきの小学生でも「つまんない。」って言いそうな展開になってしまい、残念だったな。

チベットロケでの立ち回りシーン。野次馬のスゴイ数。よほど、珍しかったんだろうけど、ニコニコ笑ってる人とか、どうにかできなかったかね。

ミッシェル・リーがグロい動物の骨を間近で見せられたり、糞まみれになったり、びしょぬれになったりしてたけど、ストーリー上、やらなくてもいいことをさせられたのは、美女が嫌がることをさせたかった監督の悪癖だったりして?(笑)

睡眠薬ネタのシーン。ユン・ピョウが寝てしまった後に、なにか騒動になるかと思ったら、次のシーンでは飛行機に乗ってるし。何がしたかったんだろ?

空港でのジャッキー登場シーンは、見逃すレベル。

ボンデージコスチュームのニナ・リーは、「なんで、こんな格好しないといけないの?」ってブツブツ文句を言っただろうな。ニナ・リーの片巨乳に顔をあててたのは、巨乳の奥さんと比較してみたくて、監督権限でやりたかっただけでしょ(笑)。ニナ・リーの武器がムチって、思いっきりSMの女王様からイメージしてるよな。バトルシーンは、ニナ・リー、頑張ってた。

ニナ・リーが乗っていたポルシェを爆破させてたけど、ポルシェじゃなくても。西部警察ですら、おんぼろ車を爆破するのがほとんどだったのに(笑)。自己顕示欲が見え隠れするなぁ。

ウォン・ヤッサンとユン・キンタンの出演シーンは、当時、人気者だった2人を出演させたかっただけだよな。本筋に不要だったし。

ユン・ピョウが香港に行く前に、文化や生活の違いとかを最低限、学んでないのがよくわからん。一般人でも海外旅行する時に予習することなのに。空港で銃を出して大騒ぎになるとか、濡れた服をミッシェルの自宅の庭で焚火して乾かすとか、迷惑すぎる。

終盤のバトルシーン。黄金の壺から出てきた謎の光で、ニナ・リーがあっけなく死んじゃったのは残念。ユン・ワーと共闘するシーンが見たかったな。

てっきり、邦題から、壺から放たれた光で、香港が魔界になり、魔力でユン・ワーが強力になったのを、ユン・ピョウが超能力で倒すのかと思ったな。ユン・ピョウの呪文で、壺の光があっさりと封印されて、その後は、ユン・ピョウとユン・ワーの見劣りするバトルが展開されたのは、スケールダウンした気がした。

刷り込みなのか、チベットとなると、超能力ネタをしたがるよな。水柱どーん!とか、もういいかなって。そもそも、鉄砲の銃口を曲げたり、牢屋の鉄格子をすり抜けたり、テーブルクロスに人をすり抜けさせたりできちゃう超能力をチベット僧侶が習得するのは何目的なんだろ。犯罪しか思いつかないんだけど(笑)

これ、気づいちゃいけないのかもだけど、蓋を香港に持って行く必要なかったんじゃないの?(笑)。ユン・ワーみたいな悪者が現れるのは想定できるわけで。壺本体をポタラ宮に持ち帰ってから、蓋と合わせればよかっただろうに。(それだと映画にならないのよ~(笑))

ラストの大タンカご開帳シーンは、あれを実物で見たらまさに壮観だろうなぁ。まあ、実際にチベットに行ったら高山病になって、旅行計画が全てパーになるリスク大なんだけど(汗)。

邦題。魔界でも大戦でもございませんでしたな!(笑)