ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌

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原題:辣手神探
出演:
チョウ・ユンファ(周潤發)
トニー・レオン梁朝偉
テレサ・モウ(毛舜筠)
アンソニー・ウォン(黃秋生) 他
監督:ジョン・ウー(吳宇森)
1992年度作品

劇場で観終わった時の興奮を今でも覚えているくらい、大好きな作品!

『中国返還目前の香港。武器密輸組織との銃撃戦で、相棒が殺し屋に命を奪われ、復讐を誓う刑事テキーラ。一方、武器密輸組織に素性を隠して潜入し、おとり捜査をおこなっている特別捜査官トニー。激しい銃撃戦の中で出会った二人は反目しつつも、いつしか信頼しあい、闇組織との激闘へと身を投じていく!!(DVDジャケットより引用)』

もう、序盤の飲茶楼での銃撃戦なんか、他の作品なら、クライマックスになりそうだもんなぁ!のっけから「スゲー!スゲー!」状態。ユンファが手すりを利用した2丁拳銃も見せてくれちゃって、この時点で期待を超えましたな!

テレサに花束が届けられる際に添えられた手紙は、トニーからフィリップ・チャン(陳欣健)警視への暗号文。とある曲が書かれていて、それを数字譜にしてパソコンで入力するとメッセージが現れる仕組み。これって、パスワード考える時とかに使えそう。

これまで何度観たかわからない、ホイの武器倉庫での銃撃戦。あの天井からのユンファの登場には背筋がゾクゾク~!としたなぁ!これ書いてる際にも、あのシーンと一緒にBGMが脳内再生してる(笑)。トニーが危険そうなアクションを自らやってたよな。観る度、気になってしまうのが、ドラム缶が爆風で吹き飛ばされて下に落ちるシーンで、落ち方がおかしいのがあるのよね。ワイヤーのやり方次第では、ああなっちゃうわな(笑)

トン・ワイ(董瑋)演じる情報屋のコウが、瀕死の重傷でウーさんの店に来るシーン。明心病院に兵器庫があるとユンファに伝えて気絶するんだけど、ユンファ、その病院にコウの手当てをしてもらいに行っちゃダメでしょ(爆)

ユンファがテレサに避難を知らせる合図は花を贈るってシーンは、そんな偶然はないだろって思ったけど、ちょっと考察してみた。病院のエレベーターでユンファが別れ際にこっそりテレサのポケットに花を入れてたわけだけど、長年、交際してきて、テレサが「んもう、どうなってるのかしら?」ってな表情の時は、ポケットに手をいれる癖があるのをユンファが知っていたからだと考えましたが、いかがでしょう?(笑)

終盤の特筆は、病院内での2分43秒間のワンカット撮影。Wikipediaに書いてあった内容で驚いたのが、エレベーターで3階から4階に上がったようになってたけど実は同じセットで、ユンファとトニーがエレベーター内で会話中に、爆発した破片の掃除、爆発物の再設置、階数の案内表示の変更などをやったそう。確認したら、よく考えられてたわ。3階の設定と4階の設定で銃撃戦をした通路が違うのよ。エレベーターの入り口付近と3階でユンファが一人を殺した通路がかぶってるけど、あの程度なら、短時間での掃除は可能だわ。疑いもなく、4階に上がったと思ってました!すごすぎる! 

トニーとフィリップ・コク(郭振鋒)演じる獨眼龍の一騎打ち。患者やナースが巻き添えにならないよう、避難させてたら、アンソニー・ウォン演じるジョニーがやってきて彼らを皆殺しにした時はムカついたなぁ!「ジャマだからだ!」って理由で殺されたくないよな(汗)

ユンファが抱っこしてた赤ん坊があんなことでユンファを救うなんて想定外(笑)。クライマックスの爆発シーンは、ほんと、迫力があった!

脚本を担当したバリー・ウォン(黃炳耀)が完成前に亡くなり、本作が遺作となった。

劇場公開時、今はなき、天六ホクテンザ2に観に行ったけど、売店でパンフレット買おうとしたら、販売してないって言われてガッカリしたっけ。凄絶な銃撃戦が繰り広げられる中、ガラガラの客席に眠ったサボリーマンが数人って光景が思い出される(笑)

ソフトは今のところ廃盤。ツインから発売されたBlu-rayなんて、びっくりする速さで廃盤になったよなぁ。JAIHOでニュー2Kリマスター版が昨年配信されたから、それがBlu-ray化されるのを心待ちにしてるところ。

トニーが人を殺す度に鶴を折るという印象的なエピソードは、1993年の元旦にフジテレビで放送された「新春スターかくし芸大会」で、近藤真彦が主演、「折り鶴」というタイトルで本作がリメイクされた際にもメインテーマとして扱われた。「折り鶴」のタイトル下に「ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌より」って小さく表記があった記憶もある。録画して長年保存してたのに、どういう心境だったのか、消去してしまった過去の自分にイラつくのであった(笑)