ドラゴンカンフー 水晶拳

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原題:奇招
出演:
ビリー・チョン(莊泉利)
ユエン・シャオティエン(袁小田)
チュー・ティエホー(朱鐵和)  他
監督:ホア・シャン(華山)
1979年度作品

『ワン(ビリー・チョン)は、父を幼い頃にマ・フェイジェン(チュー・ティエホー)に殺された。マ・フェイジェンは遼東鳳眼拳の達人であった。

ワンはクンフーを学ぼうとある道場に赴くが、金がなかったため、台所の手伝いをすることになる。そこにいた老人、チャン(ユエン・シャオティエン)が、しばらくしてクンフーの達人であることを知ったワンは、チャンから鷹爪拳を学ぶのだった。

ある日、ワンは、道場主と共に訪れた宴会で、クンフーをバカにしたロシア人武道家鷹爪拳で倒したところをマ・フェイジェンに目撃されてしまう。ワンは、執拗に鷹爪拳を教えた師匠の名を問われながら、マ・フェイジェンらにボコボコにされるのだった。マ・フェイジェンは、かつて、チャンとの闘いに破れ、手下の2人は、眼と耳を不自由にさせられ、その恨みを果たすべく、長年、チャンの行方を探していたのだった。

チャンはワンから父親の形見である翡翠を渡され、愛弟子の息子だったことを知り、ワンに父の仇を討たせるべく、影の拳を伝授するのだった・・・。』

キャラ設定やストーリー展開が”ジャッキーのあれ”とそっくりだったよな(笑)。欧米人でアジア人の顔の区別ができない人なんかは、本作をジャッキー作品と思っている人いそう。ビリー・チョンの髪型や恰好もジャッキーに似てるし、道場のデヴィッド・ウー演じるヤセもディーン・セキと役柄似てるし。拳を伝授したシャオティエンが置き手紙して、ビリー・チョンの元を去ってしまう展開なんてモロパクリ(笑)。

1983年にフジテレビで放映された日本語吹替え版で観たんだけど、ビリー・チョンの声が素人レベルでイライラしたな。当時アイドルだった堤大二郎氏を起用したそうなんだけど、周りが富山敬さん、青野武さん、玄田哲章さん、水島裕さんらレジェンド声優なものだから、素人レベルが際立っちゃって(汗)。富山敬さんがビリー・チョン役をやってくれてたらと観てて何度思ったことか!。ユエン・シャオティエンの声は小松方正さん。青野武さんもいいけど、やっぱり小松方正さんがしっくりくるよなぁ。

ワンがマ・フェイジェンたちにリンチされるシーン。手を焼かれるんだけど、鶏の足がワンカット映ったのが謎。大やけどしたはずなのに、その後のバトルでハンディな展開にならないのもよくわからん。

ビリー・チョンのアクションって、ジャッキーに引けを取らないくらい、素晴らしいんだよね。知名度が低いのは、キャラの魅力不足もあるけど、本作のプロデューサーで、ビリー・チョンの後ろ盾だったパル・ミン(包明)が亡くなったことが大きかったよな。

「りょうとうほうがんけん」って吹き替えで言ってたのを漢字で書くのにいろいろ調べてしまった。”鳳眼拳”は知ってたけど、”りょうとう”がわからず、英語字幕で「liaotung phoenix eyes fist」と書いてあったから遼東半島の”遼東”だろうなと。(←間違ってたらすいません。)

テレビ放映時のタイトルは英題の「crystal fist」からだろうけど、英題を考えた人がそもそも間違ってるよな。父親の形見だったのは翡翠であって、水晶じゃないわけでね。それに気づいたのか、「jade claw」(jadeは翡翠の意)って別タイトルも存在。”鷹爪拳”なのに”水晶拳”って部分のツッコミは、そういうタイトル付けをしたくなっちゃう存在がいるからしゃあない(笑)

香港映画ファン初心者レベルの頃に、レンタル店にビリー・チョンの「カンフー風林火山」、「カンフーエグゼキューショナー」が置かれていたんだけど、ビデオジャケットのイラストが古臭いというか気に入らなかったのが理由でレンタルせず、ビリー・チョンが悪いでもないのに、長年、ビリー・チョン作品を避けていた過去があるのよね(爆)。こういうことからもパッケージデザインは大事(笑)。

ビリー・チョンは「悪漢探偵V」の出演を最後に香港映画界を去り、出身地であるインドネシアに戻り、ウィリー・ドーザン(Willy Dozan)という別名で映画やドラマに出演。息子のレオン・ドーザン(Leon Dozan)も俳優。

ボクはゲームしない人なんだけど、youtubeで「Shaolin vs Wutang 2」ってゲームの動画を見た時は「やってみてえ!!」って思ったな。功夫映画ファンならニヤリとしてしまうキャラ揃い。ビリー・チョンVSイップマンのバトルって!!(笑)