迷拳三十六招

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原題:迷拳三十六招
出演:
ウォン・チェンリー(黃正利)
チャン・リー(張力)
チャン・ユンユン(張詠詠)
チャン・ラウ(陳樓)
ファン・メイシェン(樊梅生)  他
監督:ジョセフ・クオ(郭南宏)
1979年度作品

かつて開局していたMATVムービーアジアで放送された作品。

『滅族門のイェン(マーク・ロン)は一族の敵を討つため、部下のチンシー(ウォン・チェンリー)ら四勇士に六合門の生き残りを始末するよう、命じる。そして、イェンは六合門のトップでチベットに逃亡したクアン・ウーチェン(ジャック・ロン)を自らの手で倒すため、追うのだった。

六合門の生き残りだったホアジー(チャン・リー)と叔父は、四勇士の一人、四弟(チャン・ラウ)に襲われ、傷を負った二人はある寺院に逃げ込み、ホアン総監(ヨン・チャクラム)に助けられる。ホアン総監も六合門のメンバーで、かつてチンシーから受けた傷で苦しんでいた。回復したホアジーは、ホアン総監の弟子となり、寺院で生活する。ある日、ホアジーが村まで買い物に行くと、彼の行方を捜していた四弟に見つかってしまうのだった・・・。』

久しぶりに引用せずにストーリーを書いてみたけど、E級電影ほどではないが、一度観ただけではわからず、何度か観なおすハメになってしまったな(汗)。

ウォン・チェンリーが主演のトップにクレジットされてるのに、いつまで経っても登場せず、1時間以上経過してようやく顔出ししたら、それまで後ろ向きでバトルしてたチンシー役だったのは、予想通り(笑)。もう、こういうパターンの作品、いくつも観てるから、主役らしき後ろ向きの人物が登場したら、「スケジュール都合?」「プロダクション変えた?」「死んじゃった?」とか、いろいろ考えてしまう(笑)。

ホアン総監がヘビの皮を剥ぐシーン。こういうシーンを観る度に、このシーンのためだけに、生き物が殺されてるんじゃないかと不快になる。低予算で黒社会系の製作会社なんて普通にやってそうだし(汗)。

ヘビを殺生してるのを弟子にのぞき見されてることに気づいたホアン総監。弟子が「殺生はいけないはずです。」と言ったら、「頭は空っぽか?融通が利かん。」って怒ってる。今後、怒られた弟子は「融通が利かん。」って言いながら、禁じられてることやり倒す可能性大(笑)。

チャン・ラウ演じる四弟が、兄弟子に長々とヘタクソな字で手紙書いてるシーンは、面白くもなんともなくて、なんかイライラしたな(笑)。

ウォン・チェンリー本人が登場して、ホアン総監を飛び蹴りするシーン。スローになったから、凄い蹴り技を見せてくれるのかと思いきや、ちょこっと当ててるだけ。どうみても致命的な蹴りではないのに、ホアン総監死んじゃってる。

チャン・リーとボロ・ヤンのバトル。まあ、他作品でもよく見るけど、とどめを刺す時に、大きな壺を割るシーンなんかを挿入して、強さを表現するのって、「うーん。」と首を傾げちゃうのよね。いったいボロ・ヤンの体のどの部分がどのようになって致命傷になったのかってのを誤魔化してるとしか思えなくてね(爆)。

チャン・リーとウォン・チェンリーのバトル。チャン・リーが藁を燃やしている煙を利用して、ウォン・チェンリーの眼をシャバシャバさせながら攻撃ってのは、卑怯だろ(笑)。あんなことされてウォン・チェンリーが倒され、「劇終」ってされても、なんにもカタルシスを感じないのよね。・・・そもそも本作にカタルシスを求めるのが間違いではあるが(笑)。

終盤、唐突にイェン(マーク・ロン)とクアン・ウーチェン(ジャック・ロン)が登場してバトルし始めたのには、何が起きたかと思ったな。序盤にイェンがチンシーに「クアンを倒しに行く」って話すシーンがあったけど、ものの数分で、それ以降、全く出演シーンがなかったから、「お前ら誰なんだよ。」って混乱してしまった。ほんと、ストーリー構成がダメ。

ボロ・ヤンのドレッドヘアみたいな髪型にはびっくりしたな。本作の見どころはこれくらいしかない(笑)。ドレッドヘアって髪をちゃんと洗えないから激臭がするみたいね(汗)。

前年に「少林寺三十六房」がヒットしたからなのか、それにあやかろうとタイトルに”三十六”ってつけてるのもどうかと思ったな。

本作の主演はどうみてもチャン・リー(張力)なのに、オープニングのクレジットにも、公開時のポスターにもその名前はなく、代わりに、威龍って名前が書かれてる。チャン・リーの別名かと調べたらそうでもないし、ロビン・ショウ(仇雲波)の別名が威龍なんだけど、出演してるシーンなんてどこにもないし、謎すぎる。劇場公開時、自分の名前がどこにもないことを知ったチャン・リー。「どういうことやねん!」とブチ切れたり、「あれ?監督に嫌われた?」と不安になったり、「ま、ええか。こんなクズ映画に名前なくても。」と自分を納得させたり、感情が目まぐるしく変化しただろうな(笑)。