タイガー・オン・ザ・ビート

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原題:老虎出更
出演:
チョウ・ユンファ(周潤發)
コナン・リー(李元覇)
ニナ・リー(利智)
ツイ・シュウケン(徐少強)
リュー・チャーフィー(劉家輝)  他
監督:ラウ・カーリョン(劉家良)
1988年度作品

『リー刑事(チョウ・ユンファ)とマイケル刑事(コナン・リー)はタッグを組み、麻薬の売人殺しの捜査にあたることになった。捜査中、リーの兄貴分、ロン(ティ・ロン)から麻薬が横流しされたという情報を得た2人。とあるホテルで張り込みをしていると、ひとりの女性に目が留まる。その女性が化粧室から戻ってくると、持っていたハンドバッグのデザインが異なっていることをリーは気付くのだった。

リーとマイケルはその女性を尾行し、訪れたアパートを急襲するが、そこにいた男に逃げられ追跡する。逃げた男は麻薬取引で逮捕歴のあるピン(コウ・フェイ)。尾行した女性はピンの妹ドナ(ニナ・リー)だった。

ドナを取り調べするが、なかなか白状しないため、リーがプレイボーイなのを知っていたリーの上司(ジェームズ・ウォン)は、彼女を手なずけて一気に吐かせる策をリーに命じるのだった・・・。』

ユンファがファーストフード店で朝食を食べるシーン。グラスに生卵を1ダース割り入れて飲むんだけど、隣でびっくりしてるカップルに「ブルースが始め、ジャッキーに教え、アラン・ドロンとスタローンを経て俺に伝わった。」って言ってる(笑)。ちなみに実際のセリフは、”スタローンと俺”の間にティ・ロン(狄龍)が入ってるんだよね。ティ・ロンだって有名人なのに、なんで省いちゃうのよ!?

・・・ということで、ティ・ロンの名が省かれたことが不満のため(笑)、パイオニアから発売されたDVDは字幕変更ができるので、違いがありそうなシーンをチェックしてみた。

ユンファが飲んでた飲み物は香港では定番のドリンク、”好立克”(ホーリック)っていう麦芽飲料。日本では馴染みがないので、字幕ではコーヒー牛乳になってる。

ブラ売り場でのやりとり。女房に頼まれたと嘘をつくユンファに店員役のリディア・サム(沈殿霞)がサイズを聞くところ。エルシー・チャン(陳奕詩)、パット・ハー(夏文汐)の名が出た後、アニタ・ムイ(梅艷芳)の名が出ると、ユンファが「彼女はサイズを変え続けてる。」って言ってる(笑)。字幕はモンロー、マドンナ、シュワちゃんとか変えすぎ。

上司役のジェームズ・ウォン(黄霑)がユンファにニナ・リーを手なずけるのを命じるシーン。ジェームズが巨乳の仕草をしたのを見て、ユンファが「エルシー・チャン(陳奕詩)の方がデカいように見える。」って言ってるけど、字幕は「好みじゃない。」になってる。・・・劇中、2度も名前が出てるのに字幕になっていないのは、日本でエルシー・チャンの知名度が上がるのを恐れた闇の勢力が、圧力をかけたとみるべきでは?(笑)

バーでのティ・ロン(狄龍)とコナン・リーの対決はサービスシーンだったな。「カンフー・スタントマン」でエリック・ツァンが「ティ・ロンはガチでやってくる。」って言ってたけど、コナン・リー、大丈夫だったのかしら?

ニナ・リーが乗車したタクシーの運転手役はラウ・カーウィン(劉家榮)。出演、ここだけ。たまに、こういうことされるから見逃せない(笑)

スポーツクラブの受付の女性に名前を聞かれたユンファが「マーク」って答えてたのはウケたな。

ユンファがニナ・リーを暴行するシーン。ガラステーブルを突き破らせるわ、顔を粉だらけにして、ふろ水の中に顔を押し付けるわ、やりすぎ。でも、こういう強烈なことされると、ニナ・リーみたいに心変わりしちゃう人もいるわけだから、人間、いろいろ(笑)。・・・部屋にシャアザクのプラモの箱があるの、今回、初めて気づいた(笑)

カーチェイスした後、リュー・チャーフィーが乗っていた車が水没して、チャーフィーが行方不明になったんだから、ユンファたちはニナ・リーを四六時中、ガードしないといけなかったよな。「死んだにちがいない。」と「生きてるかもしれない。」では、行動も選択もだいぶ変わってしまう。

終盤のバトル。ユンファがショットガンに紐をくくりつけてぶっ放すやり方は、本作でしか観たことがない(笑)。白人のボスが銃にナイフを付けたら、すかさず、効果音とともにでかい刀を出してきたユンファはウケた。

コナン・リーとチャーフィーのチェーンソーバトルはヒヤヒヤしながらも見応えがあったな。このバトルとユンファの紐付きショットガンは、初見から30年以上経っても記憶にこびりついてる。

”コナン・リー”を”コナン”だけにしたいところだけど、”コナン”と言えば、ボクは「未来少年」が真っ先に浮かぶので悪しからず(笑)

製作のカール・マッカは当初、ドナ役をブリジット・リンに演じてほしいとオファーしたところ、ブリジット・リンから60万香港ドルを提示されたので断念したそう。ブリジットがドナ役って、全く違った作品の印象になってただろうな。

白人のボス役の人、どういう経緯で抜擢されたのか不明だけど、ボスという役柄にはミスマッチに思ったよな。調べたら、デビュー作は、フィルマークと並び、悪名高きIFD社の作品(笑)

本作はショウブラが映画製作から撤退後、ラウ・カーリョンがシネマシティと契約して、初めて監督した作品。ショウブラで活躍したタレントが多数起用されてたけど、監督としてもやりやすいし、仕事を与える意味もあっただろうな。なにせ、チャーフィークラスで、出演作が87年はゼロだったわけで(汗)

ユンファとラウ・カーリョン監督の組み合わせって珍しいよな。続編はユンファからダニー・リーにバトンタッチされたけど、ユンファが続投しなかったのは、監督が厳しすぎてうんざりしちゃったとかだったりして!?(笑)

マリア・コルデロが歌う主題歌「虎威」↓