おすすめランク B
出演:
勝新太郎
ジミー・ウォング(王羽)
浜木綿子
寺田路恵
南原宏治
三波伸介
伊東四朗
花沢徳衛
監督:安田公義
1971年度作品
「座頭市」シリーズ22作目の作品だが、版権等の問題で長年ビデオ化されず、座頭市ファン、ジミーウォングファンには幻と呼ばれていた作品。
『ある日、日本で見世物をしながら生活していた唐人一家と、王剛(ジミー・ウォング)は知り合いになる。旅の道中で 南部藩の行列を一家の子供、小栄が乱した際、侍が小栄に切りかかったため、王剛は侍数人を殺してしまう。 その騒ぎの中、侍はそこらにいた百姓らを、惨殺し、小栄の親も殺されてしまう。王剛は、懸賞金をかけられ、ヤクザの 藤兵エ一家に追われる身となる。
座頭市は、小栄の泣き声を聞き、小栄を預かることにする。道中、座頭市は王剛と遭遇し、言葉のわからぬまま、 ある百姓(花沢徳衛)の家に泊めてもらうことにする。座頭市が街に買い物に行っている隙に、何者かの知らせにより、 王剛らの居場所が発覚し、無残にも百姓一家は惨殺され、一家の娘、お米(寺田路恵)は藤兵エ一家に拷問をされる。 藤兵エに座頭市が“金のためならなんでもする”男だと知らされたお米は、座頭市が密告したと思い込んでしまう。
王剛とお米、小栄は、王剛の昔の修行仲間、覚全(南原宏治)のいる寺へ向かう。言葉の通じる覚全から、お米の話した 座頭市が密告者だという話を聞いた王剛は、座頭市を裏切り者だと信じてしまうのだった・・・。』
勝新太郎の剣さばき、かっこええ!!剣を握った時のシブーイ声と、普段の軽めの声とのギャップも座頭市というキャラに親しみを覚えてしまう。
中国語と日本語の意味が互いにわからんネタ。おにぎりを食べるシーンで、ジミーさんが「謝謝!(シェーシェー)」と言ったら 勝さんが「シャーシャー?水か。」と言って、何で水なんだかわからんが、水筒渡したり、「どこへ行く?」という中国語を、 「隣の兄さん。」とか言って「そうそう。」と理解してる(笑)
藤兵エ一家と座頭市の決戦シーン。何度見ても、勝さんの剣さばきに魅了されるが、樽の中に隠れていた勝さんが、敵が 樽を“コンコン!”ってノックしたら、“コンコン!”って応答しちゃうところは「コントかい!!」と爆笑してしまった。 ああいう小ネタ大好き!(笑)
座頭市というネタだけに、めくらネタが満載。てんぷくトリオが、のぞき見するシーンで、めくらの三波伸介も障子に穴あけて 覗こうとしたり、「めくらは執念深いからなあ・・・。」とか、「めくら同士で・・・。」とか、「妙なあんまだよ・・・。」とか 放送禁止用語連発。えー、不適切な表現を書いていますが、作品がそういう作品ですので、ご了承くださいませ・・・。
酒屋の女主人役の浜木綿子って、若い頃をこの作品で初めてみたけど、美人ですなあ・・・。学生時代、苗字と名前がどこできれるのかわからず、「はまきめんこ」「はまもめんこ」と読んでいたな(笑)。「はまゆう」なんて植物知らんかったし。
ジミーさんと勝さんのラストのバトル。ストーリー的に互いに闘わなくてもいいのに、言葉が通じず、誤解に誤解を生んだ状態での闘いのため、どっちが勝利しても、見ている側からするとどっちにも死んでほしくない状態なので、壮絶な死闘を見ている にもかかわらず、見終わった後、「やったー!!」ではなく、「ハァ・・・」とため息をついてしまった。決着後、互いに 「ことばさえ通じていれば、闘わずに済んだものを・・・」と呟くのが、悲しい。
日本公開版と香港公開版ではラストが違い、香港版ではジミーさんが勝利するらしい。そのバージョンも見たいが、ジミーさんですら所持していないらしい。
DVDの作品紹介の、ジミーさんについてのところで“ジャッキー・チェンやアンディ・ラウ、サモ・ハン・キンポーら大スターに 一目を置かれる存在”と書かれていたが、どうして一目を置かれているかまでは書かれていなかった。なんででしょうねえ・・・(コワー!(笑))。