ヒーロー・オブ・カンフー 猛龍唐人拳

おすすめランク:

原題:唐人街功夫小子

出演:

アレクサンダー・フー・シェン (傅聲)

スン・チェン (孫健)

ワン・ロンウェイ (王龍威)

ロー・マン(羅奔)

フィリップ・コク (郭振鋒)

チャン・シェン (江生)

チャン・ナン(姜南)

サイ・クヮパウ(西瓜刨)

監督:チャン・チェ(張徹)  

1977年度作品

『祖父を頼って大陸から香港を訪れた譚東(アレクサンダー・フー・シェン)は、その純朴さと正義感を暴力団の徐豪(ワン・ロンウェイ)に利用され、トラブルに巻き込まれた。身を案じた祖父にサンフランシスコに密航させられるのだが、意気投合した留学生の楊堅文(スン・チェン)とともに中華街のレストランに住み込みで働くことになる。しかし、中華街には、黄虎棣(ロー・マン)の青虎道場、小白龍(フィリップ・コク)の白龍娯楽会社と二大暴力団組織が存在していた。小白龍は、譚東の武術に目を付け自らの陣営に取り込んで行く。同じ頃、香港組織から徐豪がやって来ていた・・・。(KADOKAWAオフィシャルサイトより引用)』

フー・シェン作品をいろいろ観ていたのに、前サイトでは1つもレビューしてなかったことに移行作業で初めて気づいた(汗)。

基本知識として、アレクサンダー・フー・シェンは“薄命の貴公子”と呼ばれた人気スター。83年に弟の運転する車に同乗中に事故に遭い、28歳という若さで帰らぬ人となった。事故に遭遇してなかったら、香港映画のこれまでの歴史は確実に変わっていただろう。

ということで、本作のレビューですが、ツッコミどころ多かったな。

フー・シェンを香港に呼び寄せたじいさん、よく、その年齢まで生きてこれたなという、レベルの低さ。フー・シェンの仕事を見つけようとして、不法移民で身分証がないから断られるんだけど、そんなこと、フー・シェンを呼ぶ前にわかってることだろ。

フー・シェンが露店で手搾りオレンジジュースを販売するシーン。あのー、不衛生なのでビニール手袋をはめていただかないと(汗)。

オレンジジュース販売中に、関わったら面倒な輩が登場。この時の出会いたくもなかった出会いがきっかけで、ワン・ロンウェイの罠にかかり、フー・シェンはアメリカに逃亡することになるけど、それしか方法がなかったのかね?だって、ロンウェイが麻薬をフー・シェンの気づかぬ間にポケットに入れて、警察に見つかっただけだから、捕まっても重罪にはならんだろうに。・・・まあ、この時代は汚職が蔓延していたから、警察も何するかわからんけどね。

これって、カットされてないバージョンって存在するのかね?なんか、「えー?そこ、すっとんじゃうの?」って、びっくりしたところがいくつかあったし、オリジナル予告編見たら、本編では存在してないシーン多かったし。

フー・シェンが警察から逃れるために、香港から密航して、アメリカに行くシーン。密航のシーンが全くなく、祖父や親戚と相談して、密航を決めた次のシーンで、いきなりアメリカにいて、ホットドッグ買ってる(汗)。ここのはしょり方が一番、びっくりしたわ!(笑)。ふつう、密航している間の騒動とか、描くと思うんだけど。

フー・シェンとスン・チェンが住み込むレストランの店主、いやな奴だったな。不法滞在だとか留学生の就労禁止の弱みに付け込んで、低賃金、劣悪な労働環境で働かせるし、自分がよければそれでいい奴。こういうクズは淘汰されるべき。

フー・シェンがフィリップ・コクからスカウトされて、組織でそれなりの地位になって、スーツ着て葉巻吸ってるんだけど、ここも過程をはしょってるから、「なになに?」だった。で、レストランで勤務した際に仲がよかったスン・チェンと偶然、会ったら、軽蔑しながら、「恥知らず!」なんてフー・シェンに言うもんだから、困惑してしまった。ほんと、ダイジェスト見てる感じなんだよな。

スン・チェンが軽蔑している原因は、フィリップ・コクの組織も、ロー・マンの組織同様、麻薬の商売をしていたから。フー・シェンはそれを知って、フィリップに事実を確認するんだけど、フー・シェンが今の地位になれたのには、組織に裏があるからだって、ふつう、気づかないかい?まともな商売じゃ、短期間にそんなに昇進できんよ。

アクションシーンは、こういう類いの作品を見慣れてしまったせいか、特筆すべきシーンはなかったな。もちろん、ショウブラ作品だけあって、クオリティは高いけどね。

ラスト、スン・チェンが送った手紙を台湾にいる父親が読んで終わるんだけど、児童たちが横断歩道を渡るシーンで劇終にする意味がわからんかった。なんで?(笑)