食神

おすすめランク A
原題:食神
出演:
チャウ・シンチー周星馳
カレン・モク(莫文蔚)
シッ・カーイン(薛家燕)
ン・マンタ(吳孟達
ヴィンセント・コク(谷德昭)  他
監督:チャウ・シンチー周星馳)/リー・リクチー(李力持)
1996年度作品

『中華料理の最高峰が集う香港で、天才料理人として名を馳せ、神と称された男がいた。華麗な料理のテクニックで人々を魅了する “食神”ことスティーブン・周(チャウ・シンチー)。しかし、真実の彼はもはや料理人ではなく、ビジネス界に於ける貪欲な成功者だった。
 だがその権威も、協力者であった筈のエリック(ン・マンタ)の裏切りによってあっけなく崩壊する。 料理界から追放され無一文となり、香港の裏町・廟街(テンプル・ストリート)にたどり着いた周は、食神にあこがれていた屋台の女主人カレン(カレン・モク)の協力を得て再起をかけた新しい料理を創り出す。その名も“爆発/小便団子”。再び成功への快進撃を始めた周は、エリックの腹心“新食神”(ヴィンセント・コク)に宣戦布告。対決を一ヶ月後に控え、中華料理の神髄を求めて周は単身中国本土に渡る。しかし、そこにはエリックの放った刺客が待ち受けていた・・・。(チラシより引用)』

本作を普通の字幕で面白かったと思った人は、絶対にDVDに収録されている”セリフ完全翻訳字幕”で再度観ることをおススメ!セリフが速すぎて、字幕を読み終える前に切り替わるから何度も一時停止を押したけど、本作の面白さが増した。

ほんと、シンチーは胸糞悪いキャラをとことん描くのがうまいよね。DVDのストップボタンを押したくなるレベル(汗)。この不快さを乗り越えた先におもしろいのが待ってると思って観ないと観てられない(笑)。弟子にしてほしいと頼んできたヴィンセント・コクにエレベーター前でクソをさせようとしたのにはドン引き。

支店のオープニングセレモニーでシンチーが部下に言ってた指示。客に飲み物をもう一杯飲ませるために、大きい氷を入れろって(汗)。居酒屋でハイボールを頼んで氷入れまくりの店は、二度と行かないことにしてる(笑)

花束贈呈に女子高生が来たと言われ、シンチーが妄想するシーン。カレン・モクがカバーした村下孝蔵の「初恋」がBGMで流れながら、高校生のシンチーの甘い初恋がしばし描かれる。で、目覚めたシンチーの前に現れたのが、出たー!!鼻くそほじり男のリー・キンヤン!!。あのシンチーの両肩ピクンが爆笑(笑)

シンチ―とマンタが、たびたび互いに「壊蛋!」って言ってたけど、普通字幕の「小僧め!」より、完全翻訳の「ろくでなし!」のほうが2人のいがみ合いっぷりを表すには適訳だったよな。

カレン・モクのブサイク顔はマジで衝撃だった(笑)。ベロ出しながら牛肉を叩くシーンは大爆笑。あと、トイレでシンチーに抱きしめられた時のキス顔(笑)。シンチーがキスされたところを何度も洗ってるのも笑う。なぜか後光が差しながら、「大陸に私もついていく。」って現れたシーンも仕草や表情が引くレベルで、そりゃ、シンチーもタクシーでさっさと逃げたくなるわな(笑)。しっかし、シンチ―はブサイク女子に対して容赦ないよな。美人との扱い方が違い過ぎる(笑)

小便団子を食べた時のリー・シウケイ(李兆基)演じるゴウタウが砂浜で羽衣をまとう、至福のひとときシーンは腹がよじれるくらい笑ったな。あの強面のリー・シウケイがあれだけの状態になったんだから、よほど美味いんだろうな。食ってみてえ!(笑)

少林寺でシンチーがタッツ・ラウ(劉以達)演じる大師の治療を受けるシーン。このシーンで普通字幕と完全翻訳で大師の治療プロセスが異なっちゃうのよね。普通字幕だと、すでに8割くらいムスコから毒を吸い取ったってことになっちゃうけど、完全翻訳だと、最後に残った治療箇所がムスコだけってなってる。気絶してる最中にすでにムスコを吸われちゃったのと、これから吸われるのでは、受け止め方が全然ちがうぞ(笑)

食神コンテストからは、審査員役のシッ・カーインがダンスしたりと大活躍だったな。シッ・カーインは1960年代にアイドルとしてジョセフィーヌ・シャオ、チャン・ポージュ、フォン・ボーボーらと「七公主」として大人気だった人。

シンチーが少林寺十八銅人にボコボコにされるシーンは笑ったな。3人くらいがカンフーの型をしてる後ろで普通に集団リンチしてる。椅子という凶器を使ってるのもいるし(笑)。

佛跳牆って高級スープ。材料に干しアワビ、干し貝柱、フカヒレ、干し海老、干しナマコなんか使ってたら美味いに決まってるわな。こういう料理があることを初めて知ったのは、「美味しんぼ」(笑)

シンチーがヴィンセントをボコるシーン。少林寺で習得した椅子でボッコボコ(笑)。「見事な椅子使い!」ってシッ・カーインがどういうわけか高評価(笑)

シンチ―が作ったチャーシュー丼をシッ・カーインが絶賛する演出が爆笑。マンガっぽくなるし、美味すぎてのたうち回ってるし、静止画みたいになってるけど、実は微妙に体が動いてるし(笑)

いやあ、ほんとこの作品は面白いわ。たまに無性に観たくなってしまう。シンチー主演作の中で5本の指に入る傑作。

本作を観て痛感したのは、字幕にする時に、ここまでセリフが端折られちゃってるんだってこと。これだと、現地で評判だった作品でも字幕が原因でつまらなくなるってことは往々にしてあるってことだよなぁ。シンチーのしゃべくりで笑いを取る作品に関しては、日本語吹き替えにかかる費用を、完全翻訳字幕に費やして収録してほしいわ。本作の”セリフ完全翻訳字幕”を製作してくれた方々に本当に感謝。ご苦労様でした。