チャウ・シンチーのゴーストハッスル

おすすめランク D
原題:師兄撞鬼
出演:
チャウ・シンチー周星馳
トン・ピョウ(董驃)
フォン・ツイファン(馮淬帆)
ファン・カン(方剛)
ヴィヴィアン・チェン(陳德容)
エイミー・イップ(葉子楣)  他
監督:ラウ・シーユー(劉仕裕)
1990年度作品 

『麻薬密売組織に殺された捜査官ピウ(トン・ピョウ)は、霊界に行ったものの再び下界に舞い戻る。借金苦による自殺と報道されていたからだ。真犯人に報復するには“救世主”の助けが要る。その救世主とは、どうにも頼りないお調子者の新米刑事シン(チャウ・シンチー)だった。突然の幽霊の出現にあわてるシンだったが、好きな彼女との仲を霊の力でとりもってもらうことを条件に犯人探しと仇討ちに協力する・・・。(DVDジャケットより引用)』

これは、ブレイク後のチャウ・シンチーの笑いを求めて観たら、ダメなやつだな。80年代の香港コメディパターンにシンチーが出演したと思って観ないと。まあ、そう思って観てもダメだったんだけど(爆)

刑事と幽霊をネタにすると、こういうストーリー展開にならざるを得ないのか、ほぼ、「デブゴンの霊幻刑事」なんかと同じパターン。本作の方が、幽霊ネタに比重を置いていたけどね。

通報で現場に向かったトン・ピョウとフォン・ツイファン。ツイファンの職務怠慢っぷりがすごいな。チラっと見ただけで「異常なし。引き上げよう。」って(汗)。で、トン・ピョウを残して引き上げちゃって、心配になって現場に戻ったら、トン・ピョウが死んじゃってる。

で、ここからが普通の刑事モノではありえない展開になる。新聞でトン・ピョウが借金苦で投身自殺って記事になり、霊界でこの記事は間違いだとトン・ピョウが閻魔大王にあたる人物(?)に訴えて下界に降りてくるわけだけど、なんで、そもそもツイファンが現場検証してないのよ。現場検証したら、トン・ピョウが銃撃戦した痕跡もあって、麻薬もあって、死者もいるわけだから、容疑者が浮上する展開になるだろうに。ストーリーを複雑にせず、シンチーにトン・ピョウ幽霊の助けで犯人を捜査させたいのが前提で、この展開をバッサリなくしちゃったのが、ストーリーにチープさを感じてしまったな。

トン・ピョウがロープにつかまって拳銃ぶっ放したり、飛び蹴りしたり、珍しくアクションしてるのよね。まあ、ほとんど替え身なんだけど。

霊界でトン・ピョウと並んで座ってたのがチャウシェスクとマルコス。2人とも1989年に死んでるのよね。チャウシェスク夫妻の公開処刑は衝撃だったよな。

エイミー・イップが出演すると巨乳ネタのはじまりー。女難の呪符でツイファンを誘惑することになるのだが、エイミーの巨乳を間近で見れたツイファンの役得だけだったな(笑)

ツイファンの娘が父親に彼氏であるシンチーを紹介するため家に連れてくるシーン。「まさかお前が?」の展開になり、互いに褒め合いながら、ひっぱたいたり、殴ったりしてる(笑)。食事シーンの、ツイファンに豆板醤を大量にぶっかけられたご飯を食べるシンチーの顔(笑)。はい、はっきりいって本作で笑えたシーンはここぐらいでした!(笑)

トン・ピョウが犯人の手がかりをシンチーに言うんだけど、ワキガって(汗)。で、その後のシーンでシンチーが街中の人の脇を嗅いでる。イヤすぎる捜査だな(笑)。

敵の法師の術で、トン・ピョウが閉じ込められたので、救うために聖水が必要になるんだけど、材料が処女の尿、猫の糞、道士のおならって(汗)。聖水じゃなくて汚水じゃないかよ(笑)

処女の尿だってのに、なんで真っ先にマリア・チェン(陳立品)演じる婆さんのおしっこをゲットにしに行くのよ。・・・って観返したら、序盤、ツイファンに同僚がマリア・チェンのことを「1000年生きてる処女」と言ってるセリフが。「そういえば・・・。」みたいな回想シーンいれてよ。そんな冗談みたいなセリフ、いちいち覚えてないわ(笑)。

ラストはさすがに「何でもありだな!」って突っ込んだ。トン・ピョウのいる霊界にシンチーとツイファンが配達するのはおかしいだろ(笑)

婆さん役といえばこの人!というくらい数多くの作品に出演したマリア・チェンは、本作が遺作。本作の香港公開10日前の1990年7月18日に亡くなった。

この作品はシンチーの人気が大ブレイクした「ゴッド・ギャンブラー 賭聖外伝」の1本前に香港で公開されたもの。1本後だったら、「賭聖外伝」の流れでシンチー特需の恩恵にあずかれただろうな。

本作はキングレコードからDVD化されたが、すでに廃盤。Netflixで配信されている。