おすすめランク D
原題: 烈火英雄
出演:
ホアン・シャオミン (黃曉明) 他
監督:トニー・チャン(陳國輝)
2019年度作品
『リーウェイは最年少で消防隊・隊長となり、勇気あるリーダーシップで数々の栄誉に輝いてきた。今日もレストランの火事を持ち前のリーダーシップと能力で消し終えた彼は、経験を積ませるために現場検証を若手の消防士に任せて、その現場を離れる。しかし、経験の浅いその消防士は、現場に残されたガス爆発の兆候に対応できず、爆発により死んでしまう。リーウェイは、この失敗により地位をはく奪された上、更に除隊を迫られ、失意の日々を過ごすことになる。
そんなある日、世界でも最大規模の石油コンビナートで火災が発生、家族と共に休日を過ごしていたリーウェイは、火事の連絡を受け、現場に向かう。火事は化学物質の都市部への拡散の危機も招いており、もし、それに引火したら、800万もの人間が即、焼死するという人類が体験したことのない災害となる。この恐ろしい状況でリーウェイは究極の選択を迫られる・・・(インターフィルム公式サイトより引用)』
火災シーンは実写もあってまあまあ迫力あったのに、消火活動に関わる人々の行動に疑問符がついてしまい、残念な仕上がりになってしまったな。
序盤のホアン・シャオミン演じるリーウェイ隊長が、火災の起きたレストランの消火後のチェックを若手に任せたのは判断ミスではあったけど、その後に周りから「人を死なせた。」って白い目で見られるのはどうかと思ったな。他の消防隊員だって、将来的に同じミスを犯す可能性があるわけだし。そもそも消防士ってそういうリスクがある仕事なわけで。
度々出てくる「臆病者」ってフレーズが気になったな。そりゃ、あんな火災が起きたら、臆病にもなるがな。危険を察知した隊員が「退避しろ!爆破するぞ!」って説得しても「俺は臆病じゃない。」って言って、爆破に巻き込まれた隊員がいたけど、そいつは危機回避能力なしで消防士失格だろ。別のシーンでも、ある隊員がリーウェイを掴みながら、救護室にいる重傷を負った隊員たちを見せて、「彼はヒーローだ。彼もヒーローだ。なぜ、退却させた?おかげで臆病者だ。お前が上にたったら、みんな無駄死にだ。」って罵ってる。・・・罵った奴の部下にはなりたくないな。それこそ無駄死に(笑)
化学プラントにつながるバルブを閉じるため、制御室が爆破したために、手動で閉じないといけなくなるシーン。手動を想定してなく、8000回転も回さないと閉じない設計になってる(汗)。・・・あの国ならありえそうな事だな(笑)
で、リーウェイは8000回も回さなきゃいけないのに、回してる途中で、家族の写真が燃えそうになり、じっくりとその写真を見ている。・・・一刻を争うのに、そんなことしてる場合じゃないでしょ!。
「突き進め!」と炎に向かい、消火活動してたら、火が後ろに回り、ホースが燃えて使用不能になってる(汗)。・・・そんなことになるのは、想定内だと思うんだけど。バカ揃いですか?(笑)
炎に囲まれ、死を覚悟したのか、スマホに隊員一人一人、家族へのメッセージを録画している。・・・あの~、大惨事になるので、そんなことしてないで、消火方法を考えてくれませんかね?(笑)
司令室にいた女性の彼氏が殉職したのを知った司令官が、泣きじゃくる女性に向かって、「おい!行け!!」と、彼氏の遺体のそばに行くよう命令してる。・・・緊急事態ですよ。「おい!任務に集中しろ!」ってのが、普通だと思うんだけど(笑)
殉職した隊員を見て泣く女性のそばで何人もの隊員が暇そうに座っている。・・・他部署が忙しくても知らんぷりの、よくある会社の光景(笑)
パニック映画観てて、「そんなことしてる場合じゃないだろ!」って突っ込みばかりなのは、パニック映画としてはダメなやつ(笑)
港の社長みたいに自己保身になって、ギリギリまで肝心なことを言わない人って、あの国では根深く存在すると思うよ。だから公になった時はかなりヤバいことになってる。
邦題の副題は後ろに”!?”をつけなきゃダメだわ。都市は焼失してないし。
本作は、2010年に大連で発生した石油パイプラインの爆発事故を元にしている。記事では「事故原因は、石油タンカーからの原油の荷卸し作業を中断した後も、業者側がパイプラインに強い酸化剤を含む原油脱硫剤を注入しつづけたことにより、パイプラインの爆発を誘引。死傷者は出ていないが、火は15時間も燃え続け、事故現場の石油輸送設備がひどく破損したほか、周辺海域も汚染された。」と書かれている。2014年にも同じような爆発が大連であったようだけど、ヤバすぎるだろ。最近、原発事故もあったし、大丈夫かいな?
この作品、実際に働く消防隊員が観たら、「いやあ、ムリムリ。」とか、ボク以上に突っ込んでるだろうな(笑)