ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明

おすすめランク 

原題:黄飛鴻

出演:
リー・リンチェイ//ジェット・リー李連杰
ユン・ピョウ(元彪)
ロザムンド・クァン(關之琳)  他
監督:ツイ・ハーク(徐克)
1991年度作品

オープニング、ジョージ・ラムが歌う主題歌「男兒當自強」が流れる中、海岸で黄飛鴻が自ら率いる自警団とともに練武するシーン、いきなりだが毎度見ても「うおー!」となってしまう!

舞台は清朝末期。アヘン密貿易の取り締まりを強行した清に対し、イギリスがそれを理由に侵略をしかけたいわゆるアヘン戦争。 その後、イギリスに屈服し結ばれた南京条約は清とっては不平等な条約だった。条約後、フランス、アメリカも侵略をしはじめ、 まさに動乱の時代がはじまろうとしていた。その激動の最中、民衆のために自警団を組織し、医師、武術家としても名声を轟かせた男、それが黄飛鴻なのである。

リンチェイ演ずる黄飛鴻(ウォン・フェイフォン)は実在の人物。清朝末期、1847年生まれ。黄飛鴻の弟子の一人、林世榮 (ケント・チェンが演ずる)の弟子の息子が劉家良(ラウ・カーリョン)、劉家榮(ラウ・カーウィン)、 劉家輝(リュー・チャーフィー) のラウ・ブラザーズとなるわけである。

また、この「天地黎明」では監督のツイ・ハークは劉家良の弟、劉家榮に武術指導を担当してもらっていたが、アクションの型がおそらくパッとしなかったのだろう、途中でユエン・ブラザーズのユエン・チョンヤン(袁祥仁)とユエン・シュンイー(袁信義)(←二人ともなんだかんだとちょっとだけ出演)も担当することになり、この作品は“ラウ・ブラザーズ”“ユエン・ブラザーズ” の夢の競演でもあるのだ。

このシリーズの気になるところは、フェイフォンと十三姨(ロザムンド・クァン)の関係。影に映ったフェイフォンの頭をそっと 自分の指先の影でなぞる十三姨。フェイフォンが振り向くと恥ずかしそう手をひっこめる十三姨。なんか見てるこっちが恥ずかしくなっちゃうくらいの“純愛”(笑)。って、十三姨はフェイフォンの親父の妹なんだから、親戚でこんなこといいんかい! と思ったが、血のつながりはないらしい(←未確認情報(笑))。

ヤン・サイクーン(任世官)演ずるイェンがユン・ピョウに「この世に完璧を求めるな。道理の通らぬこともある。まずは名を上げねばならん。 そうなって初めて正義を語れるのだ。それが世間だ。」と語るところは、ストーリーでの理由は抜きにして、「現実、そうなんだよなあ。」と思うところもあって、なんか熟考してしまった。

ラストのリンチェイ、ヤン・サイクーンの梯子を使ってのすっごいアクションは、ユエン・ウーピン(袁和平)が担当したそう。でもあの撮影の途中で、リンチェイは骨折してしまい、のちにこのシリーズで鬼脚七役を演じる熊欣欣(←この作品では副武術指導)がスタント部分を担当している。でも、アップになるところのリンチェイは 「オレがやってるでー!かっこええやろー!」って目で訴えてる感じのすごいカメラ目線だったなぁ(笑)

しっかし、ユン・ピョウ、リンチェイと同列の主演だったけど、リンチェイのイメージが強すぎて、目立たなかった!役柄的には 新たに黄飛鴻の弟子の一人となる重要な役ではあったけど。ジャッキー・チュンの方が、出っ歯でどもりで、でも英語ペラペラって役でこっちの方が印象に残ってしまった感じがする。でものユン・ピョウが出演してくれた結果、作品がヒットし、 それまで低迷していたリンチェイに再びスターの道が開かれたっていうこともいえると思うので、リンチェイはユン・ピョウにも感謝しないといかん(笑)

↓オーケストラをバックに本作の主題歌「男兒當自強」を歌うジョージ・ラム、最高!!