無敵のドラゴン

おすすめランク 
原題:九龍不敗
出演:
マックス・チャン(張晉)
アニー・リウ(劉心悠)
アンデウソン・シウバ
ステフィー・タン(鄧麗欣)  他
監督:フルーツ・チャン(陳果)
2019年度作品

相変わらずのネタバレ全開なので、観たい方は鑑賞後にどうぞ。

『幼い頃に “伝説の九龍”と出会い、肉体に“ドラゴン・タトゥー”を入れた香港警察の熱血捜査官ガウ。女性警官を狙った連続殺人を捜査していた彼は、婚約者を犯人に拉致され、失意のドン底に・・・。その後マカオで同じ手口の事件が発生。犯人へ宣戦布告したガウは、巨大な陰謀に立ち向かう!!(ツイン公式サイトより引用)』

「イップマン 継承」で虜になったマックス・チャンの主演作で、観る前は期待度MAXだったけど、期待を大きく裏切る作品だったな。普通にサスペンスアクションものにすればよかったのに。なんか、変わったことをしたくなっちゃったんだろうな。

マックス・チャン演じるガウのキャラ設定がどうもね。急に自分の首を絞め始めたり、突然、暴力的になったり、女医に「そんな貧乳、見る気もない。」ってド失礼なこと言ったり(汗)。女医から「人を数える癖は強迫性障害の一種」って言われてたけど、ストーリー上、その障害にする必要性があったとも思えんし。

黒社会のボス役のラム・シュー(林雪)。可愛いドラゴンタトゥーに目が行く前に、しんどそうなお腹が印象に残ってしまった(笑)

香港警察とマカオ警察が越境捜査で揉めるくだり、あれ、必要だったか?えらい時間を割いてたけど、尺稼ぎとしか思えなかったな。

前半、まともなアクションシーンがなかったんだよね。地下ボクシングのシーンも中途半端だったし。狭い路地でバイクに追われるシーンなんて、もっと面白くできたと思うけど。・・・マックス・チャンのチョビ髭が似合わないことはわかった(笑)

アンデウソン・シウバ演じるシンクレアの登場シーン。まるで、水中から海坊主みたいな化け物が出てくるような演出だったな(笑)

シンクレアの犯行動機が八つ当たりもいいところなんだよね。息子に「俺は最強だ!」とさんざん言ってたのに、ガウとの試合に負けちゃって、「女警官たちがパパを笑った。」「最強のはず。」「なんで負けた?」「うそつき、弱いんだ。」と車内で口論に。で、息子が車を降りた途端、轢かれて死んじゃったから、その恨みで、女警官を次々、殺害。・・・決して、関わっちゃいけない人間だな(笑)

主題歌が流れてのトレーニングシーン。電車の中で逆さになって宙吊りしてたのは、クスクス笑うべきところだったんだろうか?(笑)

ジュジュ・チャン(陳鈺芸)演じるレディとの電車内でのバトル。ようやくマックス・チャンの実力発揮かと思って、期待度あげたら、電車が脱線して、車両がゴロゴロ回転してる中でバトル継続してるのを見て、興ざめ。なんで、あんな余計な演出しちゃうの?

警察署内のマックス・チャンとシウバのバトルも、期待以下で、マックス・チャンの顔に画鋲が刺さったことしか印象に残らず(笑)

終盤のCG丸出しのタワーでのバトルもガッカリ。ここで流れる♪ひゃ~、は~はっは~♪ってBGMが、なんか不快。屋外でシウバを転落させようとしてるマックス・チャンの姿は、半ばおかしな人になっちゃってて、全く魅力なし。あと、シウバがCG丸出しでバンジージャンプするのを見たかった人なんているのか??(笑)

どっちらけ~にさせたのが、クライマックスに登場した9つの頭を持つドラゴン。このドラゴンがシウバをもてあそぶシーンを見て、「いったい何を見させられてるんだ!?」とイライラし、困惑したな。ガウが幼少期にドラゴンと遊んだというエピソードは、あくまで夢と現実がごっちゃになったとしておくべきで、ここだけファンタジーにしちゃうのは、ありえない。

製作段階で、元UFC世界ミドル級王者のアンデウソン・シウバが出演してくれるってだけで大喜びしちゃった気がするな。本作だけを見て、シウバがすごいとは思わなかったし。いくらガチンコ勝負が強くても、映画となれば、”見せるアクション”ができないとなぁ。

こういう作品を観ると改めて、俳優を生かすも殺すも監督、脚本次第だなって思ったな。ざんねん!

 

無敵のドラゴン(字幕版)