ゴールデン・ジョブ

おすすめランク 
原題:黃金兄弟
出演:
イーキン・チェン(鄭伊健)
チャン・シウチョン(陳小春
チン・カーロウ(錢嘉樂)
ジェリー・ラム(林曉峰)
マイケル・ツェー(謝天華)
エリック・ツァン(曾志偉)  他
監督:チン・カーロウ(錢嘉樂)

2018年度作品

『永遠だと思っていた絆は、一人の裏切りによって崩れ落ちた・・・。 
正義の掟に従って兄弟同然に育った5人の男たちは、貧しい子供を救うために新薬の強奪作戦を実行する。しかし一人が仲間を裏切ったことで激しい銃撃戦に巻き込まれ、散り散りになってしまった。5年後、再び顔を合わせた彼らはプライドをかけた壮絶な戦いに身を投じる!!(ツイン公式サイトより引用)』 

1990年代に香港で大ヒットした古惑仔シリーズのキャストが集結した作品。2020年2月に日本でも劇場公開された。

古惑仔シリーズは、日本では「欲望の街」のタイトルでビデオ化、DVD化されたものの、すでに廃盤。DVDはセルのみだったので、どうしても観たい場合は、プレミア中古品をゲットしないといけないのが現状。

そんなに期待せずに観たんだけど、見応えのある銃撃戦、カーチェイスシーンで、なかなかの出来栄え。2002年度作「無問題2」以来の監督作とは思えなかったな。これも、長年、動作指導、武術指導、飛車導演などを担当してきた賜物だろうな。チン・カーロウに拍手!

医薬品を強奪したはずが金塊だったって判明するのが、積み荷の重量ってのは、気づく人は気づくってレベルだよな。長年、苦楽を共にした兄弟関係だったんだから、「こいつは、こういうことに気づいちゃう奴。」ってわかりそうなもんだけど(笑)。マイケル・ツェー演じるビルの采配ミスだよな。

仲間がバラバラになって、一年後、エリック・ツァン演じる親父と、チャン・シウチョン演じるフォサンが再会するシーンは涙ポロリしてしまった。

福岡で開催されるモーターショーにビルがやってくると知って、4人は熊本から向かうわけだけど、綿密な計画を立てて金塊強奪に成功したビルなわけだから、何らかの罠があると気づかないと。ビルとしては、4人と和解するために仲裁してほしく、親父に会うことが第一目的だったわけで。・・・まあ、ビルみたいな他責思考は嫌われるよな(汗)。

この役柄では難しいと思ってたけど、まさか倉田さんのアクションシーンが見れるとはね。それも相手は、久々に映画出演のビリー・チョウ!!ごく短時間ではあったけど、2人の対決ってだけでテンションあがったな。欲を言えば、ガチンコバトルで勝敗をつけてほしかった。銃にうるさい日本なわけだから、せめて日本のシーンでは銃なしにしてほしかったところ。終盤にもビリー・チョウは再登場してくれたけど、あっさり死んじゃったのが残念。ベタだけど、銃が弾切れしちゃって、チン・カーロウとのバトルに発展してほしかったなぁ。

最後の最後、ビルがみんなの知らないところでいいことしていたってエピソード。・・・それを聞いた仲間たちが、ため息つくのが容易に想像できる(笑)

昨今よくある麻薬、人身売買、潜入捜査、陰謀とかではなく、兄弟愛をメインテーマにした金塊奪回戦なので、世の中の闇を知らない年頃でも楽しめる作品だと思った。あと、1人の女性を仲間内で片想い、奪い合い、三角関係のような、ありがちの展開に一切ならなかったのもよかったな。

エリック・ツァンと彼らの実際の年齢差は一回り違いだから、親父というより大兄貴のほうがしっくりした気がする。

マイケル・ツェーが出演すると、どの作品からの刷り込みなのか、「あー、またこいつが裏切るわ。」って思っちゃうんだよね。その通りだったけど(爆)

日本ロケは熊本と福岡。黒川温泉の帆山亭、地獄谷温泉の裕花で撮影された。本編でカットされてたけど、エンドロールに平成筑豊鉄道油須原駅で降りるシーンもうつってたな。福岡でのモーターショーのシーンは、エンドロールにマリンメッセ福岡等の記載がなかったから、場所はわからず。神社でのお祭りシーンは、てっきり熊本の神社で撮影かと思ったけど、台湾の桃園神社で撮影。ちなみに桃園神社は、日本統治時代に建てられたもの。 

特別出演で「古惑仔シリーズ」のアンドリュー・ラウ監督が、お祭りシーンに袴姿で出演。

古惑仔シリーズで仲間の1人だったジェイソン・チュー(朱永棠)が出演していないのは、長年、イーキンと不仲のようで。マイケル・ツェーあたりが、「ジェイソンがイーキンのこと、こんなこと言ってたで~。」とか、サシ飲みした時の”ここだけ話”を悪い方に捻じ曲げてイーキンに伝えたりしたのが不仲の原因だったりして!?(勝手に妄想(笑))。互いにどこか不満がある時に、第三者からのこういう発言は、強力だからな~。

本作より過去の設定で、シリーズ化してもいいんじゃない?

イーキンたちが歌う主題歌「一起衝一起闖」。