おすすめランク A
原題:星願
出演:
リッチー・レン(任賢齊)
セシリア・チャン (張柏芝)
エリック・ツァン(曾志偉)
ウィリアム・ソー(蘇永康) 他
監督:ジングル・マ (馬楚成)
1999年度作品
やばい!!鑑賞前から予想はできていたのだが、観ている途中から涙がポロッポロでてきて、最後は号泣・・・。
『オニオン(リッチー・レン)は子供の頃の水泳事故で、網膜剥離と脳膜炎になり、眼が見えず、話すことができない障害を抱えてしまった。 病院で仕事と部屋を与えられたオニオンは、彼の楽しい性格もあって、誰からも愛されていた。その病院で見習い看護婦として働いていたオータム(セシリア・チャン) とオニオンは特に仲がよく、互いに恋心を寄せていたが、その気持ちを伝えられずにいた。
ある夜、二人は星空を眺めていると、流れ星を見る。オータムは2つのお願いをしたとオニオンに告げ、一つ目の「オニオンの眼が治って一緒に流れ星が見れること。」 を伝えた後に、病院からの呼び出しがあって、オニオンと別れる。その直後、オニオンは車に轢かれ、帰らぬ人となってしまうのだった。
オニオンは天国の入り口での審査で、100億分の1の確率で当選し、願いを叶えてもらえる権利をもらう。オニオンは「生き返らせてほしい」と願い、それが実現し、眼も見えて話すこともできるようになる。だが、①5日間だけ生き返れること、②他の人が見ても他人の体を借りるため、オニオンだとわからないこと、③自分がオニオンだとは 言えないこと、といくつかの制約があるのだった。
下界にやってきたオニオンは、自分の墓の前で涙を流すオータムを見つける。オータムにとってオニオンを失ったという喪失感は計り知れないものだった。 そして、自分の性格がシャイなため、オニオンと二人で流れ星を見た時の2つ目の願い「オニオンと一緒にいること。」を伝えられなかったことを後悔していた。 オニオンは何とかしてオータムに自分の存在を知らせようと考え、自分が契約していた保険会社の社員、卓智文に扮し、オータムに近づくが、彼をオニオンだとは気付かないオータムからかえって嫌われてしまうのだった・・・。そして5日目の最後の夜。2人は・・・。』
あっという間の90分間だった。ひさびさにマジ泣きしたなあ(笑)
さすが撮影出身のジングル・マ監督だけあって、写真として切り取ってもいい作品になりそうなシーンが多かった。日が暮れていく中、香港のビルをバックに白い車の中でグミを食べてるセシリア・チャンのシーンとか、礼拝堂の中でロウソクの炎をボケさせてリッチー・レンが坐っているシーンとか。
セシリア・チャンはこの作品で第19回香港電影金像奨最優秀新人賞を受賞した。またこの作品は富樫森監督、竹内結子主演で「星に願いを」というタイトルでリメイクされた。
オニオンと親友だったジャンボ(エリック・ツァン)とのやり取りもいい。オニオンは塩レモンソーダが好物でジャンボが経営する飲食店に行っては注文していた。そしていつもジャンボのマッサージをしていた。オニオンは卓智文になっている時も塩レモンソーダを注文していたので、徐々にジャンボが感づき始め、マッサージをしてもらって予感が的中。オニオンの気持ちを察して、自然にジャンボがオニオンと話すシーンが印象的だった。
オータムの姉の家でのシーン。水が怖かったオータムがそれを克服しようとしているのだが、そこでのオータムの「怖いから逃げ続けて気付いた時はもう遅い。 怖いことこそ向き合わないと。」というセリフは妙に納得してしまった。見終わった後、自分にとって潜在的に怖いと思っていたことで避けていたことが何かあるか考えてしまったな。
人はやってしまったことの後悔より、しなかったことへの後悔の方がより悔やまれると思う。もし、あなたが想いを寄せている人がいて、その人が突然、 あなたの前からいなくなったことを想像してみよう。この作品のような奇跡を願う前に・・・。