ワイルド・ブリット

おすすめランク A   

原題:蝶血街頭
出演:
トニー・レオン梁朝偉
ジャッキ-・チュン(張學友)
レイ・チーホン (李子雄)
サイモン・ヤム (任達華)
フェニー・ユン(袁潔瑩)  他
監督:ジョン・ウー呉宇森
1990年度作品

『1967年、香港は文化大革命ベトナム戦争の余波に揺れていた。

長年の親友、ベン(トニー・レオン)、フランク(ジャッキー・チュン)、 ポール(レイ・チーホン)は、互いに貧乏でありながらも熱い友情で結ばれていた。

ベンが長年交際していたジェーン(フェニー・ユン)と結婚することになり、 披露宴をすることになる。フランクは費用を捻出するため借金をするが、 チンピラに襲われ、金を奪われそうになるも必死に抵抗、頭にキズを負いながらも披露宴に参加し費用を払うことができた。

フランクの頭のキズを見たベンは自ら壁に頭を打ち付ける。「お前のその痛みを知りたくてな!!」と。(←ああ、友情!(笑))傷を負わせた男に復讐に行くベンとフランク。だが、 傷を負わせるだけのつもりが、男を殺してしまうのだった。

二人はポールに助けを求め、ポールは一獲千金を夢見て二人を誘い、 3人は戦火のベトナムへと向かうのだった・・・。』

この作品がビデオ化された際、すぐにレンタルして観たが、当時、熱狂的な(今でもそうだが) ユンファファンだったボクとしては、“ユンファが出てないジョン・ウー作品 なんて・・・”と思い、評価が低かった。だがしかし!、久しぶりに見たら、 もうすごすぎ!!えらく感動してしまった!!さすがジョン・ウー!!

男と男の友情、そして亀裂・・・究極のジョン・ウー節が炸裂!

ベンとフランクは3人の崩れぬ友情を信じていたが、ポールの心は徐々に金へと傾倒していき、互いに心がはなれていく過程をこれでもか!と描いている。

すさまじい銃撃戦の中、ようやく船に乗れたベンたち。金に執着するポールを見たベンは金を川に投げてしまう。それを見たポールはベンに銃を向け、それを見たフランクもポールに銃を向ける。(←でたぁ!ジョン・ウースタイル!!) ベンは、「誰に銃を向けているんだ!友情はどうした?友達より金か?」とポールに問いただす。 まだこの段階で友か金か迷っていたポールはうなだれ、涙するのだった。

静けさも束の間、「ジョン・ウーさん、ここまでやらんでも・・・」 というシーンがはじまる。

3人はベトコンの捕虜にされる。兵士たちは殺しをゲームにしていて、 3人の見ている前で次々と捕虜が虐殺されていった。 兵士はある捕虜に銃を向け、別の捕虜を殺させようと仕向け、数人が惨殺、そして、 撃った捕虜も結局は殺されてしまう。

これでこの残酷なシーンは終わりかと思いきや、フランクが殺し役に指名される。 もう狂った状態で、次々と捕虜を殺していくフランク。「もう!やめてくれえ」と いうボクの願いも届かず、究極のシーンがはじまる。それは今度はベンが殺し役になり、フランクを銃殺しなければいけないという状態・・・。いやあ!!(笑)

この状態を米軍の救出などもあって、逃れることができた3人。だが、米軍に対し、 必死の抵抗をするベトコンらとすさまじい銃撃戦となる。その最中、ベンとフランクは、 行方のわからなくなったポールを探し、ポールに敵の銃弾が放たれた時、 フランクがその銃弾を受け、重傷を負ってしまう。草むらに隠れながら、痛みをこらえるフランク。そんなフランクにポールは「静かにしろ!」と怒鳴り、 やがて、ポールはフランクの頭に銃弾を撃ち込むのだった・・・。

ベンは僧侶に、フランクは米軍に助けられる。回復したベンは、ポールがフランクを 撃ったということを知り、奇跡的に助かったフランクに会いにいく。すると脳の障害 により麻薬漬けの狂人と化したフランクがそこにいた・・・。

なんかこのレビューを書いてるだけで、また見たくなってしまった(笑)

ジャッキー・チュンの演技力が最高!

ジョン・ウーの妥協を許さない演出に疲れるくらい圧倒されてしまったこの作品。 約5億4000万円という製作費にもかかわらず、興行的にはダメだったらしいが、 かなりの名作だと思った。未見の人はぜひともどうぞ!