ゴールデン・スパイ

おすすめランク 
原題:天機・富春山居圖
出演:
アンディ・ラウ (劉徳華)
リン・チーリン(林志玲
チャン・チンチュー(張静初)  他
監督:スン・ジェンジュン(孫健君)
2013年度作品

まさか、2010年代にE級電影作品が登場するとは!(笑)。巷で「神レベルの駄作」と言われていたのは、事実であった!!(笑)

『中国の歴史的秘宝として知られる水墨画“富春山居図”が博物館から盗まれた。その水墨画を狙っていたのは英国の犯罪組織と日本のヤクザであることを突き止めた香港警察特殊工作員(アンディ・ラウ)。そんな中、突然彼の前に謎の美女(リン・チーリン)が現れる。中国・台湾・東京、そしてドバイと世界を股にかけた水墨画争奪戦の結末は・・・。(MovieWalkerより引用)』

はい、本作は、資本家が映画の監督でもしてみようかなって作ってしまい、周りがそんな彼を忖度しまくった結果、こうなってしまったという見本のような作品(笑)。監督のスン・ジェンジュンは映画やテレビ番組を制作する企業の総裁。で、本作の製作者で脚本も担当。・・・総裁とか言われてる立場の人には、恐れ多くて何も言えんわな(笑)。中国公開時には10日間で興収2億4千万元(約38億円)を突破する大ヒットを記録したようだが、アンディやリン・チーリンというネームバリューがエサの大半(笑)

もうね、観てる人をことごとく置いてきぼりにするんだな。製作側が映像として表現したかったシーンありきなのよ。編集はひどいし、構成もひどいし、意味不明になって混乱してるボク自身がバカになってしまったのかと不安になるレベル(笑)

オープニングに007のパクリをするでしょ、007やミッションインポッシブルのマネで金かけて、ドバイだ、杭州だ、台湾だ、日本だと目まぐるしく不必要に場所を変えるでしょ、アンディが正常位してるのかと思ったら体鍛えてるでしょ(笑)、いちいちイラつくのよ!

脚本がひどすぎ。伏線にならないわ、あえて秘密にするわ、とってつけたセリフを言うわ、死んだと思ったら生きてるわ、唐突に何かが起きるわ、これだけ早く終わってほしいと待ち望んでしまった作品も久しぶりだったわ(笑)。アンディがアレルギー持ちっていうエピソード、それがストーリーに重要な意味があるのかと思いきや、そうじゃなかったし。いったい、なにがしたいのよ!

日本人に対する偏見を助長させる意図がまるわかり。あえて日本人にする必要がないし、全身入れ墨で日の丸ハチマキした輩なんて、存在しててもごくごく少数のイカレた仲間たちだろ。で、ムカつくのが敵の山本役が日本人じゃないこと。カンフー映画時代のニセ日本人じゃないんだから、日本人俳優使いなさいよ。ああいうキモいキャラの中国人役を日本人が演じたら大騒ぎするくせに。

しっかし、山本が住む城っていうのが、極限に気持ち悪かったな。壁の絵が母親の首と血管でつながった胎児が描かれてるとか、屋敷に複数の胎児がカプセルの中にいるとか。山本がアンディの血をなめて「A型か。」とか。・・・2019年に逮捕されて拘置所内で自殺したとされる男が、所有する島に有名人セレブを集めて子供たちにおぞましいことしてたという都市伝説あるけど、それが本当で公になったら天地がひっくり返るくらいの大騒ぎになるだろうな。

観ながら「したいだけだろ。」ってつぶやきばかりの作品って、製作側が全く観客目線になってないってことなのよね。結局、資本家なんてものが監督すると、観客にどう評価されるかより、マネーなんだよ。映画って傑作であろうが駄作であろうが料金は一緒って、よく考えるとおかしいよな。公開前にアンディとかを使って大々的に宣伝しまくって、観終わった大衆から駄作だと非難されまくっても、すでに料金はいただいちゃってるわけだしね。公開日から3日間のアンケートで駄作と80%以上が判断したら返金+上映中止+配給会社から賠償金っていうシステムだったら、こんなの怖くて作らなかっただろうな(笑)

↑の予告編動画を観たら、おもしろそう!って思ってしまったな。これぞ、予告編マジック!(笑)