盲坊主対空飛ぶギロチン

おすすめランク E   
原題:盲剣血滴子
出演:
勝新太郎(そっくりショー)
陳佩玲
陳鴻烈
田野

監督:屠忠訓

1977年度作品

DVD発売の情報を知って「見てぇ!!」とすぐにAmazonで予約して、届くのを楽しみにしてたのに、再生し、7分後には停止ボタンを押し、しばらく観る気も起きなかった最悪な作品。

パッケージに「本作品はオリジナル原版が古く、映像にノイズや歪み、音飛びなどがあります。」とことわりを入れているが、 ひどいにもほどがある!!原版はフィルムではなく明らかにビデオテープで、3倍モードよりさらに画質が悪く、画面の真ん中に ずーっと横1本ノイズが入ってる。おまけに映像と音声がズレていて、剣で人を斬った後に効果音が入るとか、どうしようもない代物。

画面サイズをテレビサイズにトリミングしていて左右が切れているので、顔が半分しかうつってないとか、誰がしゃべってるのかわからんとか、 見にくすぎ。特に「わからんわ!」って突っ込んだシーン。盲坊主が賭博場でサイコロ対決をするのだが、相手が3つのサイコロ全てを6にしたので、 それ以上の出目を出すために刀でサイコロをビシュッて斬るっていう見せ場なのだが、斬った後のサイコロの半分が画面から切れていて見えず、 何が起きたのかわからん。あの画面だけだったら、同点だぞ(笑)。

なんかどうしても納得できないのは、作品内容自体にああだこうだと言う以前に、画質、音声っていうところで文句を言わなきゃいけない点。 自分で録画してダビング繰り返して観るに耐えなくなったとか、長年観たくてしょうがなかった作品を“ごく一部のマニア”にお願いして質は悪くてもやっと観れたっていうのではなく、新品で購入して3800円払わされた点。商品化するなら、一定のクオリティ以上であろうと 当然、購入する人は思うわけで、いくら“おことわり”をしても商品化しちゃいけないレベルってものがあるだろ。こういうことされたら、もし他の作品が このメーカーから発売されても買う気もおきなくなるわな。

とりあえず、そろそろ作品内容に触れましょうか・・・。

生まれ育った中国を離れ、日本で剣術を学んだ“盲坊主”フェイ。久しぶりに帰国したところ、兄のウーが武術家チュウとの決闘に敗れ自害したことを知らされる。フェイは兄の仇を討つべく、チュウを探すことにする。一方、チュウはウーが自害したことにショックを受け、 二度と剣を取らないことを誓い、残されたウーの妻子を見守ることにするのだった・・・。

↑のストーリーを読んでもタイトルにある空飛ぶギロチンを操る敵は登場してないのにお気づきでしょうか?

はい。1時間20分後まで盲坊主とは接点もなく、いきなり対決となります。対決理由が全く触れられていないなぁと思い、観直してみると しょっぱなにギロチンマン(←勝手にヒーローものみたいなあだ名をつけてみた(笑))に対して、組織のボスだかわからん声で「必ずフェイを始末するのだ。我々の邪魔になる。」というセリフが(汗)。 “我々”と言ってる正体がラストまで全くわからず、すでに観る気もなくなっているボクとしては「どうでもいいわ・・・。」状態でございました。

おまけにこの作品の主人公は盲坊主ではなく、武術家のチュウでございまして、 盲坊主VS空飛ぶギロチンバトル終了後、武勲をあげるためチュウをつけ狙う黒装束の男とチュウとの対決が始まるのでした。 パッケージ裏に「最悪な結末を見逃すな!」などと書いてあったので、盲坊主のカラダにさらに障害が増えることを予想してました(←コラコラ!)が、 普通にチュウが黒装束の男を倒して劇終。

この作品のあえて見どころって言えば、ジミーさん作品常連のロン・フェイとサン・マオが唐突に登場し、盲坊主と対決するところかな。 ほんと“あえて”だけど(笑)。

あ、ご承知だと思いますが、盲坊主を演じた役者は本物の勝新ではございませんよ!