おすすめランク D
原題:再戰江湖
出演:
チャン・シウチョン(陳小春)
サム・リー(李燦森)
ジェイソン・チュー(朱永棠) 他
監督:サイモン・チェン(陳思銘)
2021年度作品
『シャン(チャン・シウチョン)とアーナン(ジェイソン・チュー)、ラオリンの3人は黒社会から足を洗うことを誓った。しかし、堅気になろうとしている最中、ラオリンに組織のボス、タリーからヤクを運ぶ仕事の依頼が来る。ラオリンは断り、身を潜めていたが、アーナンと共にいた場所にタリーが手下を率いてやって来る。乱闘となったところにシャンが現れ、車でその場を離れるが、追ってきたタリーとカーチェイスとなり、結果、タリーが死んでしまうのだった。タリーの死に怒りに震える弟のジャーノン(サム・リー)は、彼らに復讐することを誓い、アーナンとラオリンを殺害、シャンの娘シャオヌオを拉致するのだった・・・。』
シウチョンとサム・リーが出演してるので観たわけだけど、まーだ、こんなシナリオで映画作っとるんかいなって思ったな。2020年代の作品と思えんよ。びっくりしたな。
製作国が”中国”ってのでたまに遭遇する類いなんだけど、香港の知名度のある俳優を数人起用して、残りの出演者のほとんどは出演作が数作しかない本土の人を起用した作品。出番の多かったアーフォン役のシェン・イージエ(盛以婕)ですら、本作含めて2作だけ。
シウチョンもジェイソン・チューも製作された年で、アラカンなのに、かなりムリしてる恰好なんだよね。老けた顔とのアンバランスが可哀想なくらい(汗)。シウチョンの髪型なんて勘違いレベル(爆)。若い頃にかっこいいとチヤホヤされ、だんだん年をとり、周りは変だと思ってるけど、キレられたら怖いので何も言わず、本人は周りがそんなこと思ってるなんて気づかないまま、アラカンになっちゃった感じ(笑)
あと、役柄も若い奴らがやるようなことをやってる感じが痛々しい。サム・リーだって、アラフィフなわけよ。そんな年になっても、これだけ復讐のためにイカレた行動するって役柄は違和感ありすぎる。「兄貴が死んだのは、あれだけ悪いことしてきたんだから、当然だよな。」って40代ならさすがに思うでしょうに。
そうだ、これはアラフィフのサム・リーが自分の命も顧みず、復讐のためだけにイカレた暴走行為してるのを楽しもうって割り切って観ればいいんだ。・・・もう、ホラーだよ(笑)
人身売買のアジトでのシーン。シウチョンVS大勢の対決・・・って書いてはみたけど、がんばってるなぁとしか思わなかったな(汗)。ドニーだったら、ワクワクするところなんだけど。
漁奴島でのシーン。いやいや、敵の人数と武装見たら、単身で何かしようなんて、ほぼムリでしょ。ハイリスクすぎる。まあ、映画だからうまくいっちゃうんだけど(爆)
サム・リーも頭がおかしいから、シウチョンを殺すために、単身、漁奴島に乗り込んでくるんだよね。なんで、全く関係のない輩に殺されるかもしれない場所にわざわざ行くかね?いっくらでも復讐するタイミングなんてあるはずなのに。2人が共闘して、武装集団を倒しているうちに、2人の間に奇妙な友情が芽生えるなんてまさかの展開になるのかと思ったら、違ったな(笑)
「それはないだろ。」って思ったのが、漁奴島にアーフォンが現れたこと。身売りする工作までしてシウチョンを漁奴島に行かせたのに、あなたはどうやって来たのよ!?
そもそも、序盤でシウチョンの仲間2人を死なせてしまったのがダメだったのよ。絆で結ばれた4人が人身売買の巣窟に乗り込んで行くでよかったわけで。そこで次々に死んでいくでいいじゃん、ベタだけど。
邦題に”九龍”がついてるけどムリクリすぎる。”九龍”だと断定できる箇所なんてなかったぞ?舞台のほとんどがタイだし、黒社会にいた頃の回想シーンで、仲間4人が共闘し、シウチョンが警察に連行される場面も九龍じゃないし。だって、うしろで見てる野次馬のほとんどがタイ系の顔だったもん(爆)
70年代から80年代前半に乱造されたワンパターンな脚本のクンフー映画を現代に置き換えた感じ。テロだの、陰謀だの、黒幕だの、潜入捜査だの全くなく、復讐のみだから、頭を使わなくていいので、酒飲みながらボケーっと観るにはよろしいのかと(笑)