おすすめランク D
原題:富貴兵團
出演:
アラン・タム(譚詠麟)
アニタ・ムイ(梅艷芳)
アンディ・ラウ(劉德華)
サモ・ハン・キンポー(洪金寶) 他
監督:ケント・チェン(鄭則仕)
1990年度作品
『第二次大戦中、日本占領下の中国。海外にいる裕福な中国人たちは祖国を救うべくスイス銀行に基金を設立した。暗証番号を知っているのは、”福の神”と呼ばれる男だけ。だが、彼は日本軍に捉えられて捕虜収容所に送られていた。収容所に潜入した諜報部員たちは無事に”福の神”と接触し、暗号を聞き出すことができるのだろうか。(DVDジャケットより引用)』
日本でもDVD発売されたが、店頭で見かけることのなかった激レアな作品。10年以上前にヤフオクで購入したわけだけど、”観る前ワクワク、観た後ガッカリ”な作品だったな。
観る前にワクワクしたのは、サモ・ハン監督、主演作「上海エクスプレス」並みのオールスターキャストで、原題に「上海エクスプレス(原題:富貴列車)」と同じ”富貴”とついていたので、シリーズもので前作以上の傑作なのでは?と期待していたから。・・・おはなしにならないレベルでしたな(爆)
笑わせようとしてるネタが、ことごとく、空回りしちゃってズレてるのよね。序盤、ケント・チェン演じる捕虜の1人が、軍服を着て日本兵になりすますシーン。軍服が小さいから、「おぼっちゃまくん」の”びんぼっちゃま”みたいに背中丸出し状態で登場した時に「あ、あかんやつかも。」って思ったな(汗)。こういうネタは、「着れない、着れない、急がないと・・・」みたいな前置きがあってのオチにしないとダメでしょ。
脱走したアンディが、恋人のアニタと再会するシーン。ここの会話もウケようとしてるけど、全く面白くない。キスをしてたら、アニタが「息ができない。」と言うと、アンディが「前は4時間キスしても平気だった。」とか言い出したり、アニタが「隠していたことがある。」と言うと、アンディが「入れ歯か?」「イレズミか?」って尋ねたり。たとえそれを隠してたとしても、このシチュエーションではそんなこと告白しないだろうに。
サモ・ハンVSチェン・カンタイ(陳觀泰)の組み合わせは嬉しかったけど、「スゲー!」って興奮するようなバトルには至っていなくて残念。サモ・ハンが飛び降りたら、サモ・ハンの重さで階段がぶっ壊れちゃうってネタも、「そんなベタなこと、やっちゃう?」だったな。
シン・フイオン(成奎安)が腹痛で軍医から薬を処方されるシーン。薬を節約したいので軍医が女性ホルモン薬を処方しちゃうんだけど、棚に並んでる瓶のラベルに書かれた日本語のいいかげんなこと!ひらがな、カタカナ、漢字を適当にならべてるだけ。
で、女性ホルモン薬を飲んでしまったシン・フイオン。あの、コワモテのシン・フイオンがオネエキャラになっちゃうってだけで爆笑間違いなしのはずなのに、これがまた中途半端で笑えないのよね。アンディがシン・フイオンとディープキスしなきゃいけなくなるくだり。・・・そこは、しなきゃ(笑)
飛虎隊のメンバーが、エリック・ツァン(曾志偉)、ミウ・キウワイ(苗僑偉)、モク・シウチョン(莫少聰)、ウィルソン・ラム(林俊賢)、ウェイ・ティンチー(惠天賜)、ベン・ラム(林國斌)と有名どころを揃えてるのに、エリック以外はほんと個性のない役柄で印象に残らなかったよな。もったいない。
祝賀会シーンのバレリーナは、とっておきの爆笑ネタだったのかね?その後の動物の着ぐるみシーンのグダグダ感と言ったら(汗)。観ながら「おもんない。あー、おもんない。」って呟いてたな。
終盤のバトルも、見せ場がなくて、わちゃわちゃアクションやってるだけって感じ。もう1度観たいって思わせる要素がないのよ。「上海エクスプレス」のユン・ピョウVSディック・ウェイ、サモ・ハンVSロスロックのような記憶に残るバトルがほしかったところ。
日本軍のお偉いさん役がフランキー・チェン(陳勳奇)だったんだけど、ミスキャストだわ。ここは、側近役だったリュー・チャーフィー(劉家輝)でしょうに。期待したサモ・ハンVSチャーフィーってバトルがなかったのも残念すぎる。
ケント・チェンが共同製作と監督を兼任したわけだけど、作品の出来栄えからして、かなり無理があったのでは?。監督はサモ・ハンか、エリック・ツァンあたりに任せたらよかったのにね。