レクイエム 最後の銃弾

おすすめランク 
原題:掃毒
出演:
ラウ・チンワン劉青雲
ルイス・クー (古天樂)
ニック・チョン(張家輝)  他
監督:ベニー・チャン(陳木勝)
2013年度作品

注意!! 当ブログはネタバレを基本としております。本作に関しては、未見の方は下記のあらすじからは読まないことをおすすめします!観てから読んでください!!

・・・というのも、観た後、Blu-rayジャケットのあらすじを読んだら、「え?ここ、バラしちゃっていいの?」って、びっくりしちゃったのよ(驚)。チラシ、公式サイトのあらすじでもバラしちゃってるし。そこは知らずに観た方が、断然、おもしろいって!

ということで、行間を空けた後は、ネタバレ開始しますので、未見の方は読まないように!

 

 

『幼馴染で親友のティン(ラウ・チンワン)、チャウ(ルイス・クー)、ワイ(ニック・チョン)の3人は警察官となり、麻薬取締班として活躍している。警察の身分を隠し組織に入り込んでいたチャウは、タイの麻薬王ブッダに近づくチャンスを得て3人はタイへ向かう。しかし潜入捜査と気づかれ、先に攻撃を仕掛けられてしまう。ティンはブッダの娘を人質にとり応戦するが、ブッダの提案は「仲間の2人のうち1人を見捨てろ」。ティンは苦渋の決断で、ワイを見捨ててしまうのだった。

やがて5年の月日が過ぎ、ティンは左遷、チャウは出世街道を歩いていた。そんな中、新しい麻薬組織とブッダの組織の争いが起こった。5年前の復讐心が沸き上がるティンとチャウ。しかし姿を現したのは、死んだはずのワイだった。敵と味方になってしまった3人に非情な運命が待ち受ける。(Blu-rayジャケットより引用)』

↑「仲間の2人のうち1人を見捨てろ」ってところと、ワイが生きていたってのは、あらすじに書いちゃダメだと思うわ(汗)。だって、あの究極の選択のシーンでは、まさにハラハラドキドキしたし、5年後、ワイが現れた時は、「マジかよ!?」って驚いたしね。

タイ警察に組織側のスパイがいるなんてのは、容易に想像できるよな。ティンたちに同行してたタイの刑事がバカなのは、タイ語ならわからんだろうと、携帯でしゃべってたこと。潜入捜査官の画像がロー・ワイコン演じるボビーの携帯に届いた時はドキドキしたな。

食堂でひとりになったチャウのあの行動が、全てを狂わせたわけだけど、その動機は奥さんの存在なわけで。天外孤独って人じゃないと潜入捜査官なんてムリなんじゃない?

取引現場でのヘリ急襲シーンは迫力あったな!あんなガトリングガンを麻薬組織が保有してたら、警察では到底、太刀打ちできないわ。

ブッダがティンに「お前を生かしたのは、死ぬより地獄だからだ。」ってセリフは、こういう発想ができちゃう人じゃないと、麻薬王にはなれないだろうなと思ったな。胸糞悪い。

ティンの部下で、取引現場で殺されたイクの奥さんが葬儀会場でティンをビンタするシーン。「なんで生きてるのよ。夫を返して。」ってのはね(汗)。気持ちはわかるけど、ティンをさらに生き地獄にさせたよな。

5年後。ティンとチャウが警察署の食堂で別々のテーブルで食事してるシーンは、心が離れてるのをうまく表現してた。

車をぶつけあってから、3人で対面するシーン。ワイが何をしでかすかヒヤヒヤしたなぁ。振り向きざまにでも銃を乱射するのかと思ったら、「誓要入刀山」を歌いながら去っていった時は、「じらすんかーい!」って突っ込んだな(笑)

自分が3人それぞれの立場になってみたら、「そうするしかなかった。」→「そうかぁ、仕方ないよな。」→「いやぁ!許せん!でもなぁ。」のループになって頭痛がしてしまった(笑)

ワイの母親(ロー・ラン)を3人で看取るシーンは、涙ポロリとしちゃったな。認知症の人への対応として、発言を否定しない、叱らないというのは大原則で、それをきちんと守ってたのが感心。

RubberBandがアレンジした「誓要入刀山」が流れるクライマックスの銃撃戦は、赤と黒を基調としたセットも相まって記憶に残ったな。薬莢をあんな使い方するとは(笑)

長年、仲良かった間柄でも、誤解、嘘、嫉妬、何気ない言葉、価値観の変化なんかで、不仲になって疎遠になるケースはあるわけだけど、本作の3人のように、ブランクがあってから再会して、謝るべきことは謝って友情が元に戻ればいいんだけどね。「そんなこと言ったっけ?したっけ?」とか、「その程度のことでキレたの?」って言われて、殴り合いになる可能性もあるわけで(汗)。・・・楽しかったことだけ記憶に残ればいいのにね。

キャストにリー・シウケイ(李兆基)の名があって、2回目観た時に出演シーンを見つけたけど、ティンの情報屋役で、遠目の横顔と後ろ向きのシーンのみ。90年代、”香港影圈四大惡人”の1人として出演作多かったよな。

↓本作で何度も歌われたアダム・チェン(鄭少秋)の「誓要入刀山」。