カンフー・シスター/麗竜拳

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原題:師妹出馬
出演:
シャー・クワンリー(夏光莉)
ペン・カン(彭剛)
ワン・チーチェン(王圻生)
シュエ・ハン(薛漢)  
シェー・ティンゴン(史亭根)
タイ・チーシャー(戴綺霞)
ユー・スンチャオ(余松照)
マオ・チンシュン(茅敬順) 
リウ・シャン(劉珊)  他 
監督:リー・ツォナン(李作楠)
1980年度作品

『リンチー(シャー・クワンリー)と夫(ヘンリー・ルー)は、貴金属の運搬を業としていた。ある日、2人に、覆面強盗団が襲いかかり、夫は殺され、リンチーは輪姦された後、刺され、瀕死の重傷を負う。リンチーは気が付くと、尼僧に助けられていた。クンフーの達人でもあった尼僧の元、3年7カ月の修行を終えたリンチーは、覆面強盗団が身につけていたペンダントを手がかりに、彼らに復讐するため、洛陽へと向かうのだった・・・。』

数多くの”修行して仇討ち”パターンの作品の中では、異色の作品。夫が殺され、3年7カ月の修行が完了するまでを序盤の20分で描いているので、その後は強くなった状態でのシャー・クワンリーの柔軟を活かしたバトルが展開。さらなる強敵も登場して、2回目の修行にも至るから、観飽きなかった。

双剣を武器にしたホー・ヒンナム(何興南)と素手での対決、槍を武器にしたワン・チーチェン(王圻生)と2本の短槍での対決は、なかなか見応えがあった。

ラスボスであるパオとの対決前に、「今のあなたでは勝てない。」と、かつてパオに父親を殺され、自分も片足を再起不能にさせられた女性が登場。リンチーに仇討ちを頼み、技を伝授する展開もよかった。

パオのトレーニングシーンでの強さアピールで、クライマックスへの期待度がアップしたな。期待通りの戦いっぷりを繰り広げてくれたけど、いきなり何度も前方宙返りをして、自分の体を地面に叩きつけながら攻撃する技、秘伝”燕がえし”をしだした時は、打ちどころが悪くて頭がおかしくなってしまったかと思ったな(汗)・・・”燕がえし”と聞いて四十八手の1つが頭に浮かんだ人は夜のテクニシャン!?(笑)

シャー・クワンリーの出演作で日本でも有名なのは、「蜀山奇傅 天空の剣」。ブリジット・リン演ずる城主の次にあの城で偉い役柄を演じた。

夏光莉は、日本では”シャー・クワンリー”または”シャー・プワンリ”と呼ばれている。「シャー・プワンリの女少林寺(原題:俏師妹)」ってビデオをレンタル店で見た時から、”プワン”って響きからか、なんか記憶にこびりついてる。ちなみに「シャー・プワンリの女少林寺」には、夏光莉は出演していないんだな、これが!(驚)。おそらく、「シャー・プワンリの女少林寺」に主演のヒルダ・リウ(劉皓怡)を夏光莉だとビデオ販売元が完全に勘違いした可能性大!

あと、キネマ旬報社「中華電影データブック」にユエン・シャオティエンが本作に出演と記載されてるけど出演してないのよね。「シャー・プワンリの女少林寺」には出演してることと、両方の原題に「師妹」があることから、2作品の情報が部分的にテレコになっちゃったと推測。

本作はジャパンホームビデオからソフト化されたが、ビデオバブル期にはすでにほとんどのレンタル店で置いておらず、日本では幻となった作品。20年以上前に、本作と「マッドカンフー地獄拳」「女カンフー魔柳拳」のビデオを店頭で見つけた時の興奮は忘れられない(笑)