ホワイト・ストーム

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原題:掃毒2天地對決

出演:

アンディ・ラウ(劉德華)
ルイス・クー(古天樂)
ミウ・キウワイ(苗僑偉)
カリーナ・ラム(林嘉欣)  他  
監督:ハーマン・ヤウ(邱禮濤)

2019年度作品

アンディ・ラウとルイス・クーが2007年の「プロテージ/偽りの絆」以来、久々の共演となった作品。アンディにとっては落馬事故からの復帰作となった。

『香港最大の裏組織「正興」には麻薬に手は出さないという鉄の掟があった。しかし、 部下の地蔵(ルイス・クー)が掟を破り、義兄弟のティン(アンディ・ラウ)は制裁として地蔵の指を切り落とす・・・。15年後、金融界で成功したティンは麻薬撲滅運動に力を注ぎ、一方の地蔵は香港麻薬四天王の座に上りつめていた。密売組織の襲撃事件が多発すると、ティンは「香港最大の麻薬密売人を殺した者に1億ドルの懸賞金を出す」と発表。かつて義兄弟だった2人は宿敵となり、香港全土を巻き込む壮絶バトルに突入する!!(ツイン公式サイトより引用)』

カリーナがアンディの過去を知り、他に隠し事がないかを聞くシーン。「ない。」と答えたアンディに、隠し子がいたことを私立探偵に調べさせたと告白し、離婚に至るんだけど、もっとアンディも事情を詳しく説明しなきゃ。結婚後、何年も前に別れた女性から手紙が来て「あなたの子よ。」って書かれてたわけで、アンディは知らなかったんだし。あと、自分に子どもができないことも一因だったけど、それをアンディが責めたわけでもないし、それで苦悩している人はたくさんいるわけで。まあ、私立探偵なんて雇った時点で終わりなんだけど(爆)。

懸賞金を出すって言ったところで、「これは面白くなるな!」と呟いたんだけど、それほど盛り上がりもなく、ルイスの会見シーンに至ったのは残念だったな。懸賞金目当てで、一般人からも標的にあったり、いろいろ面白い展開ができたと思うけど。

サム・リーラム・カートンが出演してたけど、「え?これだけ?」ってな出番で、ほんとサプライズだったな。ラム・カートンなんて、顔アップもなかったから、気づかなった人多いんじゃない?。サム・リーに車がぶち当たるシーンのカメラアングルはリアルだった。

この監督ってなんかグロい演出があるのよ。なんだろ、血の色がリアルというか。場所をわざわざ解体した豚がぶら下がった冷凍庫にしなくてもいいわけだし。もう、人肉饅頭の監督ってだけで、イヤな記憶が蘇ってしまう(汗)。馬の脚が切断されてるシーンも不快。ほんと、こういうのダメ。

アンディがミウ・キウワイ演じるラム刑事に「この世界は不条理だ。」のくだり。「アフガン前大統領の弟は元CIAだ。」ってセリフの前大統領とはハーミド・カルザイのことね。世の中、なんでこんな道理に合わないことがまかり通っているのかってこと。脚本家はその不条理の根源を知ってて観客になにかを伝えたかったのかも。

クライマックス。地下鉄入り口のエスカレーターを車が駆け降りてからの、地下コンコースでのカーチェイスはすごかったな。CGをほとんど使わず、広大なセットを製作したそうだが、実際の駅で撮影したのかと思うクオリティ。ただ、銃撃戦やカーチェイスシーンで、ジョン・ウーみたいなスロー演出がほぼ皆無だから、しれっとすごいことしてるんだけど、背筋がゾクゾクするような「スゲー!!かっこええ!」には至らなかったのよね(汗)。いや、これはもしかして、少年時代にジョン・ウーに刷り込まれた条件反射?(笑)。

20年間、義兄弟の関係だったのに、アンディが育ての親を選択し、ルイスの指を切り落としたこと、その後に謝罪もなかったことをルイスは恨み続けたわけだけど、アンディもその15年前の選択が、愛する者を亡くす結果に繋がってしまうわけで、どちらの選択が正解だったかなんて、ほんと、わからんよな。

詰め込みすぎたのが影響してか、脇役の扱いが雑だったなぁ。カルロス・チャンとミシェール・ワイ演じる刑事カップルの結婚指輪ネタをするなら、もっと2人に感情移入できるエピソードが欲しかったし。アンディの部下のチャン・コッキョンにもアンディを頑なに守り続ける理由にはこんな過去があったなんてのがあればよかったな。

アンディほど資金がある存在でも香港の麻薬四天王を潰すまでが限界か。四天王のさらにさらに上位を潰さなきゃ、永遠に撲滅なんてできないわけでね。

YouTubeでメイキング映像を見たけど、製作も兼ねたアンディが、監督並みに率先して演技指導してたな。

原題が「掃毒2」となっており、前作は「レクイエム 最後の銃弾」なのだが、設定、登場人物、ストーリーなどの関連性は全くない。パート3がルイス・クー、ラウ・チンワン、アーロン・クォック共演で製作されるそうだ。

↓アンディとルイスが歌う、主題歌「兄弟不懷疑」。