蒼き獣たち

おすすめランク C   

原題:五虎將之決裂
出演:
アンディ・ラウ (劉徳華)
トニー・レオン (梁朝偉)
レオン・カーヤン (梁家仁)
フェリックス・ウォン(黄日華)
ミウ・キウワイ(苗僑偉)
ケン・トン(湯鎮業)
フィリップ・チャン(陳欣健)
チェン・カンタイ(陳觀泰)
ロー・リエ(羅烈)
アイリーン・ワン (温碧霞)
シン・フイオン (成奎安)
ナム・イン (南燕

監督:エリック・ツァン (曾志偉) 

1991年度作品

 レオン警部(レオン・カーヤン)率いる香港警察特捜班(CID)は、麻薬取引現場を急襲するが、取引現場の容疑者の中にレオン警部の義弟ケン(ケン・トン)がいた。 レオン警部はケンから「見逃してくれ!義兄さん!この金やる!」と懇願され、ケンは持っていた麻薬取引金1000万ドルの入ったカバンをレオン警部に投げて、 逃走してしまうのだった。

その後、レオン警部は部下のアンディ(アンディ・ラウ)、トニー(トニー・レオン)に現場で押収した証拠品の報告書に取引金1000万ドルの記載がないことを問いただすと、2人が着服してしまったことを知る。アンディが仲間で山分けしようと提案し、レオン警部らは家庭の事情もあり、 その提案に乗ってしまうのだった・・・。

なんかね・・・。すでにアンディとトニーが着服しちゃっている時点でいけないことしてるわけだから、その後、不幸なことが起きても、 「そりゃ、そうなるやろ。」「いやいや、あんたが悪いし。」って思ってしまって、感情移入できず、ただ傍観してる感じで終わってしまった。

アンディとトニーの二人だけコメディをやりたがっているのか、劇中、完全に浮いてる。シリアスな映画にしたいなら、シリアスに徹しなさいよ!

アンディみたいな人っているよね。「最後はオレが責任を取る!」なんて自分の能力を過大評価して、家族や友人を巻き込み、結局、迷惑かけちゃう人。 で、原因を作ったのは自分で明らかに悪いこと、非常識なことしといて自分を悲劇のヒーロー扱いしちゃう人。

トニーが殺されてしまうシーン。トニーを抱きかかえ泣くアンディ&アンディが歌う曲が流れて、いいシーンにしようとしているのだが、 トニーのかぶっている帽子がズレた時に、帽子の中から髪の毛には到底見えない物が見えてしまう。ちょうどこの時期にトニーは「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3」 でスキンヘッドになっていた頃なんで、ヅラがズレちゃったみたい(笑)・・・ってかそんなの撮影段階、編集段階で分かるんじゃないの? 

仲間の一人で唯一、着服した金を受け取らず、仲間を裏切らず、いい人だったのがフェリックス(フェリックス・ウォン)。 こういう人が一番苦労&苦悩するのよね。普通、着服したことをバレないように振る舞うはずが、堂々と新車買って平気な顔してるアンディに苦悩するフェリックスを見て、かなり同情してしまった(汗)。で、結局、フェリックスは仲間を殺された復讐からアンディに加担してしまう。 もうね、「あんたが友人に対して思っている友情レベルが、相手も同じレベルで思ってくれてるとは限らないよ!」って言いたくなる。 “死ななかった”ってことだけがほんと救い。

原題にある“五虎將”とは、80年代前半に香港のテレビ局TVBで活躍した5人のアイドルスターたちに対する呼称。もちろんこの5人とは 主演のアンディ・ラウトニー・レオン、フェリックス・ウォン、ミウ・キウワイ、ケン・トンのこと。香港ではテレビ局ごとに専属のタレントがいた。チョウ・ユンファチャウ・シンチーもTVBの所属タレントだった。

悪役のケン・トン。「ポリス・ストーリー 香港国際警察」でビビッて”おしっこチビルくん”してた刑事と言えばわかる人、多いはず(笑)

しっかし主演の他にもチェン・カンタイ(陳觀泰)、ロー・リエ(羅烈)などけっこう豪華キャストなのにストーリーがこんなんだと非常にもったいないなぁと思った。