セブンス・カース

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原題:原振侠與衛斯理

出演:
チン・シウホウ (銭小豪)
チョウ・ユンファ (周潤發)
ディック・ウェイ (狄威)  他
監督:ナム・ナイチョイ
1986年度作品

『ある夜、ゲン(チン・シウホウ)が家に帰ると、突如、何者かが襲いかかる。その男、黒竜(ディック・ウェイ)はゲンに、「あんたの呪われた血は間もなく発病する。ベッチーも呪いをかけられたのでタイに行って助けてほしい。」と告げる。ゲンは黒竜の言ったことを信じていなかったが、しばらくして、体から血がふき出してしまう。ゲンは先輩でもあるワイズリー(チョウ・ユンファ)に相談に行くと、血の呪いをかけられたようだと説明された。ゲンは1年前の事件を語り始める。

1年前・・・。

ゲンはエイズに効く薬草を探すため、医学探検隊とタイ北部に行った。その周辺には妖術を使うクー族が住んでいた。ある日、ゲンは謎の美女ベッチーに出会う。彼女は、クー族の儀式で、先祖に捧げるいけにえに選ばれていた。ベッチーには愛する男性がおり、それが黒竜だった。その儀式の日。ゲンは仲間と、彼女を救いに行くが、先祖の怪物との戦いに負け、捕まってしまう。その時に、妖術師(ツイ・カムコン)から、怪しいものを飲まされ、ゲンはもがき苦しむ。苦しむゲンに、ベッチーは自分の血を飲ませ、お守りを渡す。その力によって1年間、ゲンは何事もなく過ごしてきていたのだ。

事情を知ったワイズリーは、ゲンに、このままだと5日後には死んでしまうだろうと告げ、呪いを解くため、すぐにタイに行くように言う。早速、ゲンはタイに向かい、そこで黒竜と出会い、彼の村へ行く。すると、村の子供が全員消え去っていた。村長によると妖術師が子供の血を使って小魔神をつくるため、連れ去ったようだ。

そして、ベッチーが調べた結果、ゲンとベッチーの呪いを解くには、聖なる灰が必要で、それを飲めばどんな呪いも解けることがわかった。その灰のありかは、洞窟の中の大仏の目ということだった。

黒竜とゲンは、妖術師のいる集落に向かい、激戦を繰りひろげた後、洞窟へ。大仏での僧との格闘の末、大仏の目から灰を取り、ゲンの呪いは解ける。そして、妖術師を倒そうとするが、妖術師が先祖の体と合体し、彼らに襲いかかるのだった・・・。』

ニー・クワンの人気SFアドベンチャーもののヒーロー、原振侠と衛斯理を共演させた作品。作者のニー・クワンが始めと終わりにユンファとチン・シウホウ、そして美女に囲まれ出演している。

出演欄をみれば、豪華キャストだが、ほとんどの人が特別出演で、チラッとしかでてこない。おまけに、この作品、ビデオのパッケージ、ポスターは、あたかもユンファ主演って感じなのだが、これはまさしくチン・シウホウとディック・ウェイの主演映画なのであった。おそらく当時、ユンファは年に10本以上の作品に出演していたので、「タイになんか行けるかーい!」と、この作品にかまってる場合ではなかったのであろう(笑)

しっかし、ユンファはかなりいいとこ取りの役柄だったな。いっつもチラっとでてきた後、シウホウに「オレも後から追いかける」って言って、シウホウが一生懸命戦っていたら、ずうずうしく(笑)、いい場面で登場する。

ラストの部分なんて、シウホウやディック・ウェイが「今までやってきたのはなんだったんだ-!!」と叫びたくなってしまっただろう。2人が怪物と戦っていると、ここぞとばかりにユンファが登場してランチャーをぶっ放し、怪物を粉砕して倒してしまう。そこにいたみんなが集まったシーンの、シウホウの細い目がユンファを睨んでいるように思えて仕方がなかった(笑)

聖なる灰によって、シウホウは助かったわけだが、ベッチーはどうなってしまったか。ベッチーは顔の半分が溶けて、マギー・チャンに「お化けー!」と叫ばれてしまうほどの状態だった。ベッチーに灰を飲ませようとすると、時間が経っていて効き目がなくなっていた。「こんな顔でもいい?」と聞くベッチーにディック・ウェイはうなずく。それを見ていたユンファは「本当の美しさは顔ではなく心だ。」と、現在の、“顔だけ人間”がもてはやされる時代に、全く説得力のない慰め方をしている。さすがに顔の半分が溶けてる状態はまずいだろ。ベッチーがかわいそすぎる。

シウホウとディック・ウェイが車で集落に突っ込むシーン。突っ込んだ途端、逃げまどう敵の一人にまともにぶつかって、突き飛ばしちゃってる。スローで映っていたけど、あのスピードだったら、ちょーっとシャレになってないような気がした。

妖術師役がツイ・カムコン(徐錦江)と気づくまで、かなりの時間がかかった(笑)