愛と欲望の街 上海セレナーデ

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原題:亂世兒女

出演:

ユン・ピョウ (元彪)

ジョージ・ラム(林子祥)

サモ・ハン・キンポー (洪金寶)

アニタ・ムイ (梅艶芳)  他

監督:テディ・ロビン(泰迪羅賓)

1990年度作品

『1930年代の上海。イギリス租界で憲兵として治安を守るダイフー(ジョージ・ラム)。ボスである将軍が地元のギャングと手を結んで金を儲けていても、彼自身は真面目に取り締まりに精を出す正義漢だ。そんな彼がある日、大物ギャング、 カム(サモ・ハン・キンポー)の養女を護衛する仕事を任される。その女性こそ、彼が忘れることの できなかった元恋人マリー(アニタ・ムイ)だった。2人の恋の炎は再燃するが、やがて、彼はマリーが密かに革命家として活動している事実を知ってしまう・・・。一方、 ダイフーを頼って上海に来た弟のシウフー(ユン・ピョウ)は、ひょんなことからカムに見込まれてナイトクラブの支配人に抜擢される。だが、自分なりの正義を貫くシウフーは彼の怒りを買って、兄弟もろともカムの罠にはめられてしまい・・・。(DVDジャケットより引用)』

やっぱりね、ある分野で才能のある人が、調子ぶっこいて他の分野に手を出したらダメだわ。監督のテディ・ロビンは作曲家で有名な人。俳優したりマルチな活動しているけど、向き不向きは誰にでもあるんだから、周りも忖度しないで言わないと。製作、動作導演のコリー・ユン(元奎)か、サモ・ハンが監督してたら傑作になってたかも。

ほんとにつまらなかったな。脚本もダメ。消化不良すぎ。90分では足りないはずのストーリーなのに、伏線にならないムダなエピソードやシーンがあるところにも監督の力量不足を感じる。

本来、尺稼ぎでやるようなムダなシーン↓

①イギリス租界にやってきたユン・ピョウが、ジョージ・ラムに会うところで、地雷原があることを知らずにダッシュするシーン。←わざわざしなくてもいいだろ。

②マン・ホイらの雑技団のメンバーが、見せ物としてレスラーと戦うハメになるシーン。←普通に誘拐するだけでいいだろ。

③革命党のローレンス・チェンがティエン・ニウに秘かに恋心を抱くエピソード。←たいして出番がなかったローレンスにこんなエピソード与えなくていいだろ。

④風呂に入ってるサモ・ハンに「今の流行だ。」と言いながら服を着たままユン・ピョウが風呂に入るシーン。←場所を風呂にする必要もないし、流行ってほんとかよ!?

セットは金をかけてるように見えるけど、ジャッキーの「奇蹟 ミラクル」のセットを流用しまくり。作品がつまらないから、こういうところを見比べてみるのがおすすめだったりして(笑)

ジョージ・ラムが飛行テストするシーン。ワイヤー、丸見え(汗)

登場人物の内面がうまく描けてないから、感情移入ができないんだよね。ユン・ピョウとサンディ・ラムの恋心とかをうまく描けなかったもんかね?

ユン・ピョウのことをサモ・ハンが気に入って店の支配人に抜擢する過程がよくわからん。支配人を任されるようなレベルのことを、ユン・ピョウしたかい?

カーク・ウォン(黄志強)って「証拠あるならだしてみんかい、ゴルァ!」って役柄ばっかりの印象が。ボクはこの人、香港映画界で何十年も嫌い(笑)

ラストのサモ・ハンとユン・ピョウのバトルも、それに至るユン・ピョウの心境の変化をはしょってるから、テンションがあがらない。ユン・ピョウのキャラに好感を持てたわけでもなかったし。

ジョージ・ラムが飛行物体で、サモ・ハンの屋敷に突入するけど、それまでの飛行物体のくだりが、このシーンありきって感じだったな。

見どころといえば、サモ・ハン対ユン・ピョウのバトルより、「奇蹟 ミラクル」の撮影でジャッキーに「オレの見せ場がなくなる。」って断られたであろう、アニタ・ムイの華麗なアクションシーン。本作はここだけ見ればよろしい(笑)