デッドポイント 黒社会捜査線

おすすめランク B   

原題:非常突然
出演:
ラウ・チンワン劉青雲
サイモン・ヤム (任達華)  他
監督:パトリック・ヤウ(游達志)

1998年度作品

『カフェで働くマンディ(ヨーヨー・モン)は、店で学生時代に知り合った特捜警部のケン(サイモン・ヤム)が取材に応じているところをテレビで観ていた。 そこへいつものように3人組の男がやってきた。彼らはマンディに猥褻な発言などをし、マンディはいつも不愉快な思いをしていた。

するとカフェの向かいの宝石店に中国本土からやってきた3人組が強盗に入るが、警官が来たために逃走する。強盗の1人(ラム・シュー)は他の2人と離ればなれになり、近くの高層アパートに逃げ込む。 警察がその高層アパートを包囲し、警官が突入していくが、実はその高層アパートはカフェでマンディに嫌がらせをした男たちが、同じ宝石店を襲撃するために1室を占拠していたのだった。 カフェで警官の突入を見ていたリーダー格の男が1室で寝ていた仲間に連絡し、男は各部屋を確認してまわっていた警官に発砲する。男が負傷し捕えられ、救急車で搬送されるのを見るや、 カフェにいた3人組は仲間の奪還のため、発砲し、警官と銃撃戦になり、彼らは逃亡してしまうのだった。

特捜のケンたちが駆けつけ、遅れてやってきたケンの同僚のサム(ラウ・チンワン)が、使用禁止だったエレベーターに乗り込むとエレベーター上部に潜んでいた強盗の1人(ラム・シュー) を発見するのだった・・・。』

カフェでマンディが3人組にからかわれるシーン。こういうクズたちがいるから接客業ってめんどくさいよなぁ。あと理不尽なクレームもヤダねぇ。

マンディの店でのベン(ホイ・シウホン)とサムの会話。
「人生どうなるかわからん。楽しめる時に楽しめ。困った時に俺みたいに苦しめばいい。」って言った後に放った苦しんでる内容が、ほんと苦しい(汗)。 女房が40歳をこえてるのに三つ子を妊娠し、愛人がガンになったって(汗)。・・・まあ、久しぶりなのはわかるけど、女房の「大丈夫。」って言葉を信じたのが間違いだったな(笑)

ケンがマンディの店に来店し、サムが車の中からこっそり2人を見ながら、勝手に2人の会話を想像してしゃべりまくるシーンは笑った。 サムのキャラがもどかしいよなぁ。マンディのことが自分も好きなのに友人のケンに譲ろうとする気持ちと譲れない気持ちが交錯して、 空回りな行動をケンとマンディにしちゃうとか。

凶悪犯たちのやったことがムカついたなぁ。レイプしちゃってるのもありえんかったけど、赤ちゃんをどうにかしちゃったシーンは最悪だったな。 こういうことが平気でできちゃう人たちはずーっと刑務所にいて社会に出てきてほしくないわ。

メイシー(ルビー・ウォン)がケン(サイモン・ヤム)のことを好きだとケンが勘違いしちゃって、「俺のことを好きになるな。」って言っちゃうシーンは恥ずかしすぎ(笑)。 サイモンの「あれ?あれ?」ってな微妙な表情がいい(笑)。この後の車内の気まずさったらないよなぁ(笑)

凶悪犯を全員射殺し、彼らの車の中にマンディの持っていたキーケースと同じ物が見つかるシーン。キーケースを見たとたん、慌ててマンディの家に向かうサム。サムはマンディが勤務先に連絡もせずに 休み、全く連絡もつかなかったから、その慌てぶりはすさまじく、観ているボクも「ヤバいな。」と思って観ていた。マンディの家の前に着いて手が震えながらキーケースの鍵を1本ずつ鍵穴に 挿していくシーンは緊張した。・・・とハラハラドキドキしてたら、「旅行行ってたの。」って現れるマンディ。あの時のサムの間がウケたけど、勤務先を無断で休んで旅行行っちゃあかんやろ(爆)。 マンディも実は“顔だけさん”で、残念な人なのかもしれない(笑)

ラストはほんと原題どおりの“非常突然”。この衝撃の前にサムたち仲間で酒を呑みに行こうって行きつけの店に楽しい雰囲気で向かっている途中で、いきなりだったから 余計に衝撃だった。世の中、いつ何が起きるかほんとわからんよな。

以下からは結末に関してのネタバレなので、観てから読んでくださいませ。

いやあ、衝撃でしたなあ!(笑)

香港は赤いタクシーばかりなのに、それを知らない中国本土から来た強盗2人は緑の車にタクシー表示しておかしいのバレバレっていうところで、それを見かけたサイモンたちが、 「なーに、やってんだか。」と呆れて、酒飲む前に片付けちゃおうかってな軽い感じで逮捕しようとしたのがダメだった!防弾チョッキなんかしてるはずもない状態で、 犯人からのいきなりの発砲。いやぁ、用心しないと!この強盗たちはラム・シューの仲間で逃亡していた2人。しょっぱなの宝石店への襲撃が本物の銃ではなかったってことも簡単に片付くだろうって 判断になったのだろうけど、以前、西九龍警察の車が襲撃されて銃器が奪われた事件で、その犯人がすでに射殺した凶悪犯たちの仕業だと思い込んでいたのも悲劇の要因だったな。

で、犯人たちが、なかなか撃たれても死なないのよ!フラフラ起き上がっては撃ちあって。ゾンビかと思ったわ(笑)。サイモンが撃とうとしたら、弾がなくなってて撃たれちゃうシーンは 「あぁぁぁ!」って目をふさぎたくなってしまった。ベン(ホイ・シウホン)が撃たれるシーンは、実際はあんなんなんだろうなと思った。気づいたら撃たれてたって感じ。

ベンが撃った弾が犯人の1人の頭に命中していたら、状況がまるで変わっていただろうな。“たられば”を言い出したらキリがないけどね。

観終わった後に一番心配になったのはベンのプライベート問題。解決策が浮かんだのに残された家族&愛人たちがかわいそすぎる。

よくよく振り返ってみると多くのシーンが“非常突然”だったなぁ。カフェにいた3人組にしてもまさかラム・シューが、自分たちの占拠してる部屋があるアパートに逃げ込むとは思ってなかったわけだし。 ベンさんが三つ子を作っちゃったのもそうだし(爆)。「あの時、ああなってなければ、こんなことにはならなかっただろうに。」って思っちゃうこと、たくさんありますねぇ。(←意味深(笑))