幻影拳 ザ・マジック・カンフー

おすすめランク E   

原題:馬戯小子
出演:
ユン・ピョウ(元彪)
ドニー・イェン(甄子丹)
ウー・マ (午馬)
ラム・ウェイ (林威)
ロー・ワイコン (廬恵光)
アイリーン・ワン (温碧霞)
ベイ・ローガン
監督:ウー・マ (午馬)
1994年度作品

ユン・ピョウとドニー・イェンの夢の共演が実現!!二人の壮絶なバトルを誰もが期待したはずなのだが、 見事に裏切られ、“E級電影”として紹介されるハメになってしまった作品(笑)。

発売当時、DVDショップで見かけては、買おうかどうしようか迷ったのだが、躊躇してしまう原因だったのが、DVDパッケージの裏の画像。 なんか他の作品と比べて、画質が悪く、ユン・ピョウとドニーが対決しているような画像が見受けられなかったこと。あと、 ユン・ピョウもドニーもある時期に、粗悪な作品(ユン・ピョウなら「黒影」「ミレニアム・ドラゴン」、ドニーなら 「新ドラゴン危機一発」「アイアンモンキーグレート」他多数(笑))に出演していたため、それらと同種のクオリティーだと長年の勘で察知したことだった。レンタル店の更新手続きで1本旧作が無料だったので、それでレンタルしてみたけど、 予想が的中・・・。

とにかく腹がたつことばかり!画質は悪い!音はモノラル!おまけに英語吹替えのみ!
で、ストーリーも94年に製作したとは思えないチープさで、行き当たりばったり。ユン・ピョウとドニーというスーパースターが出演してるのに、どうしてこういうクオリティーなのか全く理解できない。

ユン・ピョウの役柄は、ウー・マ率いるサーカス団のメンバー。ドニー・イェンは警官。日本軍が中国へ侵攻した時のお話。彼らのいる街に麻薬密売で街を牛耳る組織がいて、そいつらにサーカス団のメンバーだったラム・ウェイが殺されたから、復讐しに行くという展開。だがこの作品は、おおまかなストーリーを知ったからといって、細部が腹が立って途中で早送りしてしまいたくなるいいかげんさなので、誰が死のうが不幸があろうが、全く感情移入できる要素もないので、 気にしなくていい(笑)。

いいかげんなシーン。ウー・マ一行が船に乗ろうと港で歩いているシーン。日本軍が空爆をして多くが逃げているシーンなのだが、エキストラの一人が少しニヤつきながら一瞬カメラ目線をしている(笑)。

アクションシーンのあのイラつく撮影の仕方はなんだ?ほとんど1秒間隔で、いろんなアングルからのカットをつなぎあわせ、 すごいことをやってるように見せようとしているのだが、何がなんだかわからん状態。ユン・ピョウやドニーなど出演者の顔アップが やたらと多く、アクションしてるところは、後ろ向きや顔を隠してるところが多すぎ。しっかり本人がやってるところも当然あるのだが、あんなうつし方はダメだわ。迫力が全くない!!

唯一、ちょーっとだけすごいと思ったのは、爆破シーン。「こんな作品で、こんなに爆破しなくてもいいだろー!」と思ってしまったくらい、 非常にもったいなくドッカンドッカン爆破しちゃってる。80年代の人命軽視の爆破シーンが一瞬よみがえった気がした(笑)

この作品の英題が「Circus kids」だったので、予想はできたのだが、どうやら 「カンフー・キッド」や「ドラゴンキッズ」のような、ちびっ子数人が大人の敵をやっつけちゃうパターンにもしたかったようだが、 これまった中途半端!ストーリー的に子どもをメインにしたいのか、ユン・ピョウをメインにしたいのか、とにかくどっちつかず なので、「ユン・ピョウのアクションを早く見たい!」と思いながら見ていると、子どものシーンになっちゃうから、「もう、お前らでてくんな!」とイラついてしまった。

マフィアのボス役はベイ・ローガンっていう香港映画マニアの白人。彼が執筆した「香港アクションシネマ」って本を購入したことがあるのだが、3000円する本にもかかわらず、日本語訳が意味不明な部分が多々あったり、 誤字があったりとひどかった。 笑ったのが、写真の説明がTOEICの問題みたいに現在進行形の文。例えば、写真を見れば誰でもわかるのに、その下に 「ジャッキーがスーパーガンを肩にかけている。」ってわざわざ説明してる(笑)。しばらく本棚にあったけど視界に入る度にイラついたので、処分したな(笑)。

なーんか、おかしい。ユン・ピョウやドニーの劇中での扱われ方が、重要視されてないというか、非常に中途半端。 特別出演って感じでもなく、ちゃんと主演しているんだけど、なんか「仕方なく出演している・・・。」って感じがひしひしと伝わってくる。 だって、数多くの傑作に主演しているユン・ピョウやドニーで、武術指導の経験もあるんだから、撮影手法に口出しして、 自分をかっこよく、アクションをかっこよくうつしてくれるように注文できるはずなんだから、この出来で本来であればOKするはずが絶対ないのだ。

で、監督がウー・マなのよ。ウー・マだって過去に数多くの監督作があるわけ。で、ユン・ピョウとも仲がいいはずなの。で、ボクが推測すると、何らかのトラブルに巻き込まれて、闇の組織に強要された気がするのである。 だから、製作側の言われるがままに撮影して事なきを得よう、自分のフィルモグラフィーにキズがついても、 体にキズをつけられるよりマシだって感じで作られたのだと思う。ある女優が出演を拒否しようとしたら、ナイフをチラつかせながら「大事なお顔がどうにかなってしまいますよ・・・。」と言われたことも多々あるらしいからね。

香港映画界に限らず、映画業界って大ヒットすれば儲けれるから、そりゃ魑魅魍魎がわいてくるわな。香港映画界の闇を再認識させられたような作品でございました(笑)。